医療・介護・健康分野(医療等分野)において、保健医療情報を個人単位で連結するための識別子(ID)のこと。かつては「医療等ID」という仮称が用いられてきたが、現在、厚生労働省は「医療等分野における識別子」と称している。

 健康保険法の一部を改正し、現在、世帯別になっている被保険者番号を個人単位の番号に切り替え(現在の番号に2桁の番号を追加)、12桁にする計画だ。この新たな被保険者番号を、医療等分野における識別子として利用する。

 識別子を設ける狙いは、国民の健康・医療・介護にかかわるデータを正確に個人単位で連結・共有するため。特に(1)研究目的のデータベースおける個々人のデータ連結・活用推進、(2)地域の医療情報連携ネットワークに参加する医療機関間での患者データ共有、といった活用を想定している。

 もっとも、被保険者番号を個人単位化しても、保険者が変われば番号も変わってしまう。そこで、被保険者番号の履歴を管理することによって、ひも付くデータが同一人物のものであると確認できるようにする。

 それに向けて今後、被保険者番号の履歴照会・回答を行う組織を設立する。この組織が、診療報酬請求など日常的に被保険者番号を取り扱っている社会保険診療報酬支払基金などから履歴情報を集積・管理することになっている。

 (1)の研究目的のデータベースおける個々人のデータ連結・活用推進の場合では、データベースを運営する団体などから履歴照会を受けた場合、照会された被保険者番号に対して、同一人物であることを示す記号(キー)を付与する形で回答する。その結果、同一人物のデータとして連結可能になる。この電子的なキーが識別子にあたるものと言える。

 この仕組みを利用してデータを連結しようとする団体は、必要最小限に留められる予定。レセプト情報・特定健診情報等データベース(NDB)、介護保険総合データベース(介護DB)、DPCデータベース、全国がん登録データベースなど、公的なデータベースを運用する団体が対象になるという。

 (2)の地域の医療情報連携ネットワークに参加する医療機関間での患者データ共有についても、被保険者番号履歴を活用する。ただし、具体的なキーの付与方法や運用の仕方などは、今後別途に検討していくことになっている。


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