医師または医師以外の者が情報通信機器を活用し、相談者に対して一般的な医学的情報の提供や助言などを行う遠隔医療サービスのこと。健康に不安を持つ相談者に対して、適切な受診行動や未病状態の改善、不安解消などに寄与すると期待される。

 国内で月間約8000万人が利用するLINEと27万人の医師会員を有するエムスリーの合弁会社であるLINEヘルスケアは2019年12月、「LINEヘルスケア(β版)」の提供を開始した。これも、遠隔健康相談の一つだ。

文字のみよる非同期のやり取りで構わない

 遠隔健康医療相談の定義は、厚生労働省が2018年3月に発布した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で明確に示された。2019年7月の一部改訂では、遠隔健康医療相談を医師が実施する場合と、医師以外が実施する場合に分けて定義された。「オンライン診療」や「オンライン受診勧奨」などとは実施できる内容が異なる。

オンライン診療・オンライン受診勧奨・遠隔健康医療相談で実施可能な行為(表:「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を基にBeyond Healthが作成)

 具体的にみていこう。まず、情報通信機器を用いるとき、遠隔健康医療相談ではテレビ電話などのように相談者の顔が見えなくてもよい。リアルタイムのコミュニケーションである必要もない。すなわち、チャットなど文字のみによる非同期のやり取りで構わない。

 遠隔健康医療相談では、一般的な症状に対して可能性がある病名を挙げることは可能だ。ただし、相談者の個別の症状などを基に推察可能な病名を挙げることはできない。例え医師であっても、相談内容だけで「あなたは○○という病気の可能性があります」というような診断に相当するような医学的・具体的な判断はできない。あくまで、「一般的に○○という病気は、△△などの症状があります」といった回答にとどめることが必要になる。

 医師が行う遠隔健康医療相談では、相談者個人の心身の状態に応じた医学的な助言なら可能だ。医学的な助言の例としては、軽度の下痢で脱水の不安がある患者に対して、経口補水液の摂取の仕方を教示する、などがある。

 薬剤師・看護師・助産師・保健師など医師以外の者が行う場合は、一般的な医学的情報の提供や一般的な受診の勧めは可能だが、相談者の個別の症状・状態を踏まえた疾患の可能性や医学的な助言・指示などはできない。

 なお、受診が不要であることの指示や助言は、医師・医師以外を問わず可能である。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)