紫外線照射による空間除菌装置も

 クレベリンなどは化学的な作用で細菌やウイルスを殺す製品だが、物理的な光の効果で除菌を行う装置も注目されている。

 その一つが、大分市に本社を構えるエネフォレストが発売する「エアロシールド(AEROSHIELD)」。2000年代の前半に紫外線照射装置を開発し、ファン内蔵型の「空気殺菌装置」として特許出願した。ティッシュ箱ほどの大きさで3kgほどの装置を天井に設置。UV-C(短波長)の光を天井付近だけ平行に照射することで人体に影響を与えることなく、室内で起こる空気の自然対流によって上がってくる浮遊菌・ウイルスを不活化する仕組みだ。

 このUV-C照射によって10秒以内に細菌やウイルスを死滅させることが可能だとしている。医療機関を中心に導入を進めており、幼稚園や保育園、学校の給食センター、飲料工場、コールセンター、デパート、駅など着実に導入施設を広げている。新型コロナウイルスの感染拡大の中で、福岡県の中国駐福岡総領事館でも装置を設置した(関連記事)

 海外ではUV-Cを照射する装置を使って、手術室の患者の入院期間が変わるかといった医療的な効果の検証も進んでいる。こうした研究によって効果が確認できれば、普及に一段と弾みがつきそうだ。

 日ごろ、電車内のように、多くの人が密集した環境では感染症の伝搬は容易に起こり得る。またタクシーのような密閉空間でも感染は大きな問題になる。このほか、東京オリンピック・パラリンピックに限らず、多くの人が集まるイベントにおいても感染症の制圧は大きな課題だ(関連記事)。日常の至る所に存在する感染症のリスクにどう対応すべきなのか。空間除菌や空気殺菌などの考え方は効果の検証を経つつ、着実に成長する可能性がある。


(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)