自然の力を借りて治療や健康増進を行うことができる場所や地域のこと。ドイツ発祥の考え方で、独単語「クアオルト(Kurort)」は療養地や健康保養地と訳される。「治療や手当のための滞在」を意味するクア(Kur)と「場所や地域」を意味するオルト(Ort)が組み合わさったできた言葉。

 ドイツでは、国が認めたクアオルト(特定の地域や自治体)に医師や看護師、理学療法士などの専門家が往診・常駐している保養施設が設置されており、医療保険を使って療養することができる。手術後の体力回復や精神疾患患者の療養、健康づくりなど、その目的は多岐に渡る。

 具体的には、(1)温泉や泥、蒸気など土壌に由来するもの、(2)海水や海風、海の泥などの海に由来するもの、(3)太陽光線や清浄な空気など気候に由来するもの、(4)クナイプ療法、のいずれかの要素を活用して療養する。クナイプ療法とは、1800年代にドイツのセバスチャン・クナイプ神父が確立したもので、自然の力を利用して人が本来持っている自然治癒力を高めることを追求した健康法である。(1)~(4)のどの要素を活用するかや、どこのクアオルトに滞在するかは、症状などに応じて選択する。