食後のインスリン分泌や代謝などに応じて時間とともに変動する血糖値の推移を波線で示したもの。海外ではAGP(ambulatory glucose profile)とも呼ばれる。

 耐糖能異常や糖尿病に伴う血糖値の急激な上昇・下降は全身の臓器に悪影響を及ぼす。従来の採血検査ではそうした変動を測定時の「点」でしか把握できなかったが、持続血糖測定器(continuous glucose monitoring:CGM、flash glucose monitoring:FGM)が近年登場し、血糖値の推移や変動を「線」で記録できるようになった。そして、2020年度診療報酬改定でFGMによる測定に新たな保険点数が設定され、より確実な血糖管理が行える方向になっている。

血糖値変動には個人差あり

 糖尿病管理において血糖トレンドが重要な意味を持つのは、血糖値の変動に大きな個人差があり、いわばテーラーメイドの治療が求められるからだ。

 血糖値の指標としては、血液中のグルコースの濃度である血糖値と、血液中の赤血球に存在するヘモグロビンの中で糖が結合しているものの割合を示すHbA1cがある。血糖値は短期的な血糖値の変動が分かり、HbA1cはもう少し中期的な血糖値の傾向が分かる。それぞれの測定値は違うため、同じHbA1cの人であっても、血糖値の変動の幅は同じとは限らない。

 例えば、HbA1cが8.0%の人でも、血糖値が100~300mg/dLの範囲で変動している人もいれば、50~400mg/dLの範囲で変動し、過度な低血糖と高血糖を繰り返している人もいる。低血糖になると全身に十分なエネルギー源が行き渡らず、意識を失う事故など健康被害が起こり得る。知らずに強い治療を行えば、低血糖を悪化させる可能性もある。こうした血糖の変動や推移である血糖トレンドは、より適切な糖尿病の治療を行うために重要視されるようになっている。