足浴や爪切り、マッサージ、胼胝(たこ)の処置、下肢の血流評価、創傷の管理など下腿から足先までのケアの総称。今回の記事では、(1)医療機関で専門的指導を受けるもの、(2)健康維持や介護予防を目的として行うもの、の2点について解説する。

 (1)については、足に関する疾病(足病)の診療体制の確立を目的として、2019年7月1日に日本フットケア・足病医学会が設立された。日本フットケア学会と日本下肢救済・足病学会を統合した団体である。足病の予防と早期発見、進展防止を3本柱に掲げ、医師や看護師、理学療法士など、あらゆる職種の医療者が協力して「100歳まで笑顔で歩ける足」の実現を目指している(関連記事:「足の後進国」から脱し、100歳まで歩ける足を)。

 実は、米国をはじめとした諸外国では、医学や歯学と同じ位置付けで、「足病医学」が存在する。下腿から足先までの病変を専門とする足病医(podiatrist)が専門的な治療を行っているのだ。

 しかし、国内には足病医の養成や認定をする制度はない。こうした現状を打開するため、日本フットケア・足病医学会が主体となって、「サブスペシャルティ領域専門医に足病医を置くことを提案したい」と理事長の寺師浩人氏は学会のホームページ上で意気込みを述べている。

 専門医制度こそ、まだないものの、国内でも「フットケア外来」という看板を掲げて診療を行う医療機関がある。皮膚科や循環器内科、形成外科、整形外科などの医師や、日本フットケア・足病医学会(旧日本フットケア学会)が認定したフットケア指導士などが治療や相談を行っているようだ。

 特に多いのは、糖尿病性足病変に特化したフットケア外来。糖尿病性足病変とは、糖尿病患者に起こりやすい足のトラブル全般を指し、水虫や細菌感染、足の変形などが含まれる。神経障害や動脈硬化が原因となって起こるもので、重篤化すると足の一部が壊疽し、下肢を切断する場合もある。糖尿病神経障害があると足の異変を自覚しにくく、発見が遅れがちになってしまうため、フットケア外来では定期的な検査や手入れによって予防を目的としたケアを行っている。