歩行者が、自然や昔ながらの風景を楽しみながら歩くことができる小道のこと。英語表記ではFootpath。

 英国で発祥した言葉である。18世紀後半に始まった産業革命後、英国では、それまで共有地とされていたコモンズ(Commons)と呼ばれる道を、産業資本家や貴族が奪ったり一方的に閉鎖したりする事態が起きた。これに反発した市民や労働者が反対運動を起こし、かつて地域住民が使っていた道については通行が認められるようになった。これが、フットパスの始まりとされている(関連記事:「歩く権利」から生まれたイギリスのフットパス)。

 1932年には、歩く権利(Right of Way)に関する法律が制定され、これによって公共の自然道であるパブリック・フットパス(Public Footpath)を誰もが歩くことが認められるようになった。網目状に広がるフットパスは、国全体で全長22万km以上に渡る。国が指定する国道だけでなく、地方や市町村にもさまざまなフットパスが存在するという。

 フットパスは、必ずしも舗装されているわけではなく、人が一人歩けるスペースがあれば十分機能するようだ。英国のフットパスは、(1)歩行専用路であるフットパス、(2)サイクリングや乗馬の併用路であるブライドルウェー(Bridle Way)、(3)車も通行可能なバイウェー(Biway)の3種類に分けられる。全体の約75%がフットパス、21%がブライドルウェー、4%がバイウェーとされている。