力や振動、動きなどを利用して、あたかもそこで物体が動いているような触覚を利用者にフィードバックする技術。視覚や聴覚と異なるユーザーインタフェースとして、様々な分野での活用が見込まれている。

 任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」のコントローラーに搭載されているHD振動という機能も、ハプティクス技術の一つと言える。ゲームに沿った微妙な触覚を再現し、プレイヤーの手に伝える。

 ヘルスケア分野では、例えば遠隔での診療(オンライン診療)の高度化に向けた活用が期待されている。遠隔でも患部の手触りや質感、硬さや柔らかさ、弾力性などを感じられれば、あたかもそこに患者がいるのと同じように診察できる可能性がある。

 こうした技術は、「超高速大容量」や「超低遅延」を特徴とする5G(第5世代移動通信システム)との相性が良いとされる。アビームコンサルティングでディレクターを務める福田克彦氏は、ハプティクス技術について「5G時代に本格普及する期待が高まっている」としている(関連記事:ただそこにいるだけで…、5Gが変えるヘルスケア)。

 ユーザーに非接触で触覚を感じさせる「空中ハプティクス」と呼ばれる技術もある。超音波を活用して空中に細かい分布を作り出すことで、ユーザーは空中で触覚を得られるというものだ。例えば、エレベーターの操作ボタンや券売機など不特定多数の人が触れるものを空中で触覚を与えながら操作できるようにすれば、コロナ禍における感染拡大を防ぐテクノロジーとなる。


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