Z世代とは、1990年代後半~2000年頃までに生まれた世代のこと。生まれ年は明確に定義されておらず、解釈の幅が広いが、1981~1996年に生まれたミレニアル世代(Y世代)の次の世代を指している。

 Z世代の大きな特徴は、生まれた時からインターネットやデジタルツールが当たり前に使える環境が整っていた点である。ミレニアル世代は、テクノロジーが日常生活に浸透し始めた時代に育ったのに対し、Z世代はインターネットが普及した後の時代に生まれている。いわば、“デジタルネイティブ”というわけだ。

 例えば、Z世代が小学生だった2007年頃には、“ネットいじめ”が社会問題となった。携帯電話やインターネットが普及したことで、メールで悪口を言われたり、掲示板やブログ上に悪口や中傷の書き込みをされたりするという被害が目立つようになったのだ。

 このほか、Z世代が10~14歳だった2010年には米Apple社が「iPhone4」を発売し、2011年頃からは「Facebook」が世界的なブームとなった。つまり、幼少期からインターネットが身近な存在だった上、10代でスマートフォンやSNSが当たり前の存在になっていた。

 生まれ育った時代の違いから、Z世代には他の世代には見られない特徴があるという。

 その一つが、SNSやツールに応じて自分の“顔”を使い分けるという点である。スタートアップのミッドナイトブレックファスト パートナーの岡橋惇氏は、「Z世代は自ら情報を収集し、個性を編集して発信することが当たり前になっている」と話す。一方で、さまざまな顔を使い分けるために、「自分らしさが分からない」という状態に陥ってしまうという課題もある。

「書く瞑想」で自分を発見する

 こうした特徴を持つZ世代を明確にメインターゲットに設定した、ヘルスケア系のサービスも登場し始めている。

 前述のミッドナイトブレックファストは、Z世代をメインターゲットにしたAIジャーナリングアプリ「muute(ミュート)」を2020年12月に提供開始した。ジャーナリングとは、メンタルヘルスケアやマインドフルネスの手法の一つで、頭に思い浮かんだことをありのままに書くことである。書く瞑想とも呼ばれ、欧米で人気を集めている(関連記事:書く瞑想「ジャーナリング」アプリ、AIがフィードバック)。

 muuteは、感じたことや思ったことを日記のように書き出し、自分の感情や思考を振り返ることで、自分の感情の揺れ動きや思考パターン、価値観、願望などを発見するためのアプリである。ユーザーが入力した投稿内容や投稿時の居場所、時間、天気などをAIが統合的に分析し、フィードバックしてくれる。

 β版のテストに参加したZ世代からは、「フィードバックがもらえること、ヒトじゃなくAIなので気軽に書けるところが嬉しい」「鍵アカウント以外で文章の吐き出し口が欲しかった。自分としてはありがたいアプリ」などの感想が寄せられたという。将来的には、Z世代が親しんでいる音楽ストリーミングなどとのサービス連携も行いたいとしている。


(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)