6フィート・オフィスとは、職場において社員間の距離が常に6フィート(約1.8メートル=社会的距離)以上になるよう促すなどして、コロナ禍における社員の健康維持やウイルスの拡大防止を図るために考案されたオフィスの設計企画のこと。

 企画を提唱したのは、米不動産サービス大手のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)社。同社が中国において約1万社、約100万人の社員を職場に復帰させ、再稼働へと導いた経験とアイデアがベースとなっている。

 (1)職場では常に責任を意識する、(2)ルールを守り誘導サインに従う、(3)お互いに6フィートの距離を保ち安全を確保する、(4)いつでも・どこでも「時計回り」に歩く──などをはじめ、社員が守るべき6つのコンセプト(原則)により運用される6フィート・オフィスだが、同オフィスが注目される最大の理由は、人間の行動特性を踏まえた多様な実践的アイデアが準備されていることにある。

 例えば、机の周りの床面6フィートに半円形のステッカーを貼るというのもそのアイデアの1つ。これは「他者の侵入禁止」を示す誘導サインで、周囲の社員は視覚によって社会的距離を意識することができる。一方通行の採用も6フィート・オフィスを代表するアイデアの1つだ。動線を整理することで、不用意なすれ違いを防ぎ、一定の距離を保つ効果が期待できる。ルールを決定、守りやすい工夫をすることにより、社員が自然に社会的距離を保てる仕組みになっていることが、6フィート・オフィスの最大のメリットだ。

 6フィート・オフィスのアイデアは、従来のオフィスの改善策として部分的に導入することもできる。低コストかつ迅速に取り入れることができるのもメリットの1つだろう。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)