スポーツエールカンパニーとは、スポーツ庁が実施している企業の顕彰制度。働く世代の健康的なライフスタイルの定着を目指し、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の支援や促進に向けた積極的な取り組みを行っている企業を認定するもので、2017年に創設された。

 スポーツエールカンパニーとして認定を受けるための取り組みには、次のような事例が挙げられている。

 ・階段利用の推進や徒歩通勤、自転車通勤の推奨など通勤時の奨励策
 ・スタンディングミーティング、スタンディングワークの実施
 ・終業後、休日などの地元のスポーツイベントや企業運動会への参加
 ・その他、従業員自身のスポーツ活動実践に資する取り組み

 これらを、特定の従業員にとどまらず、企業、事業所全体で推進し、取組実績を挙げている必要がある。

 認定企業のメリットとしては、スポーツ庁長官名での認定証が交付され、スポーツエールカンパニー認定マークが使用できること、また、企業名や取組内容がスポーツ庁のホームページに掲載され、自社の従業員のスポーツを通じた健康増進やコミュニケーションの活性化を積極的に実施している企業であることを対外的にPRできる点が挙げられる。

 認定企業数は、2017年217社、2018年347社、2019年533社、2020年623社と右肩上がりで増えているものの、同制度の認知度はいまだ低いのが実情だ。

 企業が従業員の健康維持につながる施策を講じているケースを表彰する制度で先手を行くのは、経済産業省だ。従業員の心と体の健康増進に会社が積極的に関わることを指す「健康経営」。同省はこの健康経営に取り組む企業を達成度に応じて「健康経営銘柄」「健康経営優良法人」などと認定してきた。大規模法人の部門で見ると、2014年度はおよそ500社だったが、昨年度は2500社とほぼ5倍に増加。それだけ「健康経営銘柄」および「健康経営優良法人」の認知度が向上して、選定を目指す企業が増えたと言える。

 その裏では、経産省が、「企業が健康経営に取り組めば、従業員の活力向上や生産性の向上などの組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながる」といったことを喧伝。また、健康経営銘柄は一業種一社とすることで競争意識を醸成するなどの工夫も凝らした。そうした取り組みが奏功して、現在の認知度アップや実践企業のすそ野の拡大につながっている。

 一方、スポーツエールカンパニーに関しては、実は経産省の健康経営度調査の加点項目にあるので申請しているというケースがほとんど。スポーツ庁からの発信量が少ないこともあり、スポーツエールカンパニー制度自体を単体で知って、認定を受けようとする企業は皆無に近い。

 同庁では今後、経産省や厚生労働省、さらには日本医師会との連携を深めながら、制度の認知度アップに努める考えだ。

[参考文献]

スポーツエールカンパニー(スポーツ庁)

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)