現行のDPC/PDPS 制度では医療財政効果が不十分!?

 もっとも、DPC/PDPS ではなく、1入院当たり包括支払い方式のDRG/PPSの拡大を図るべきという声は、経済界はもとより、政府内にも根強い。DPC/PDPSはDRG/PPSに比べると医療財政上のメリットが少ないからだ。

 DPC/PDPSは入院が長くなるほど段階的に報酬が減る設定となっている。それでも「1日当たり」の報酬のため、入院期間中に報酬は発生し続けるので、病床が空いているのであれば、入院期間を延ばした方が有利というインセンティブが働いてしまう(関連記事)

 最近でも、政府の経済財政諮問会議(諮問会議)や財務省の財政制度等審議会(財制審)で、「一入院当たりの包括払いを原則とする診療報酬への転換」(4月27日の諮問会議)や「DPC/PDPSの見直し」(5月21日の財制審)を求める意見書が取りまとめられたところだ。

 これを受け、厚労省は今後どう動くのか。

 実は、現行の診療報酬制度にもごく一部であるが、日本版DRG/PPSともみなせる報酬体系が既に導入されている。2014年度診療報酬改定では、水晶体再建術など一定程度治療法が標準化し、短期間で退院可能な手術・検査については、入院5日目までに行われたすべての医療行為を包括して支払う仕組み(短期滞在手術等基本料3)が新設されたのだ。以後、短期滞在手術等基本料3の対象は少しずつ拡大。とはいえ、その数は20項目にとどまる。

 今回、諮問会議や財制審から「一入院当たりの包括払いを原則とする診療報酬への転換」や「DPC/PDPSの見直し」の提言はあったものの、従来の流れを見る限り、次期2022年度診療報酬改定でも、1入院当たり包括払いについては、基本的に短期滞在手術等基本料3の対象拡大で終わるとみられる。ただし、官邸の強い意向が働くようなら、ある程度思い切った見直しが行われる可能性もなきにしもあらずだ。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)