BMIとは、脳波などを読み取りその命令でコンピューターを動かしたり、それとは逆に、コンピューターから神経に直接刺激を送ることで、感覚器を介さずに人に視覚や味覚等を与える技術や機器のこと。「Brain machine Interface(ブレイン・マシン・インタフェース)」の略称である。ブレイン・コンピューター・インタフェース(BCI)と呼ぶ場合もある。高齢者や障害者など、体が不自由な人のコミュニケーションデバイスとしての期待が高く、社会実装に向けた技術開発が進んでいる。

 BMIは大きく、外科手術によって頭蓋に電極を埋め込む侵襲式と、頭蓋骨の開頭を伴わない非侵襲式に分けられる。侵襲式BMIの代表企業とされるのが米ニューラリンクだ。

 ニューラリンクは、米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が2016年に設立したスタートアップ。設立から数年で、脳活動を計測する小型埋め込み式デバイスを発表するなど、事業速度が速い。2021年4月、マスク氏は同社の最初の製品について、「麻痺のある人も自分の意思だけで、健常者の親指よりも早くスマホを使えるようにする」とツイートし、話題を呼んでいる。これまで動物実験を進めてきたが、2021年中のヒトによる臨床試験の可能性も示唆している。

 一方、非侵襲型のプレーヤーとして何かと話題になるのが、米フェイスブック。2019年9月、BMIのスタートアップ、米コントロールラボを買収した同社が開発しているのは、リストバンド型のBMIデバイスだ。センサーで脳波を読み取り、念じるだけで文字入力が可能となる技術は、画面に触れずにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を操作できるようにすることが狙いとされ、医療やリハビリを超えた分野での開発も進められている。

 2019年時点で13億6000米ドル(約1500億円)と見られていた世界のBMIの市場規模は、年15%程度のペースで拡大し、2027年には38億5000米ドル(約4235億円)になるとの見方が強い(Reportocean.com「ブレインコンピュータインターフェスの市場調査レポート」)。人類最後のフロンティアの一角として、目が離せないテーマ・領域であることは確かだろう。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)