AIホスピタルとは、国が進めるプロジェクトで、医療AIやIoTを開発・活用することによって、高度で先進的・最適化された医療サービスを、広く医療現場で提供できるようにする構想を指す。医療現場から収集した膨大なデータをAIで解析するなどして、診断補助や治療・コミュニケーション支援に役立てることを想定しており、医療の質の確保・向上に加え、医療業務の効率化による医療従事者の抜本的な負担軽減の実現を狙う(関連記事:「AIホスピタル」、医療現場は機械的で冷たくなるのか)。

 AIホスピタル実現のためのプロジェクトは、内閣府が創設した「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の第2期(2018年度~2022年度)課題に採択され、2018年10月に研究開発がスタートした。プロジェクトには、日本医師会と日本ユニシス、日立製作所、日本IBM、ソフトバンク、三井物産の民間企業5社が参画する。医療現場で使う各種AI・技術システムを統合したプラットフォーム(医療AIプラットフォーム)の構築を民間企業が担当し、日本医師会はユーザー側の要望や課題をまとめる役回りだ。

 プロジェクトは5か年計画で進んでおり、2023年ごろの実用化を目指す。具体的には、AIプラットフォームには事業者の手によって各種医療AIサービスが搭載され、それらを医師や医療機関などがいつでも適正な価格で活用できるようになるイメージだ。サービスを利用する医師の参加募集と登録、医療AIサービス事業者および医療AIサービスの審査・登録は日本医師会が会内に設置した「日本医師会AIホスピタル推進センター」が担う。

 プロジェクトに協力する大学病院や研究機関、企業などを通じて、これまでに音声認識で診療記録が文書化できるシステムや、患者に疾患や治療方針について説明するコミュニケーションシステム、リキッドバイオプシーによるがんの早期診断システム、内視鏡の操作支援技術などの開発が進んできた。

 現在は社会実装に向けた動きを加速させている段階で、今年7月から医療AIプラットフォームの試行運用を開始。第1弾として、画像診断補助を行う医療AIサービスをプラットフォームに搭載して、医師・医療機関からの画像データの取得、AIサービスによる分析、分析結果の医師への報告といった一連の流れを、医療AIプラットフォームを用いて運用し、技術的検証を行っている。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)

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日本医療機器開発機構
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内田 毅彦 氏

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日経クロスヘルスEXPO 2021――日本医師会コラボレーション企画
医療現場における誰もが利用可能なAIプラットフォームの
重要性と近未来展望

2021/10/21(木) 17:25 ~ 18:10(オンライン)

<聴講無料・事前登録制>


[登壇者]
がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター
所長
中村 祐輔 氏

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