循環器病対策推進基本計画とは、2019年12月施行の「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(以下、循環器病対策基本法)の規定に基づき、国としての循環器病対策の基本的な方向性をまとめたもの。2020年10月に閣議決定された。第1期となる今回は2020年度から22年度までの3年間が対象。第2期以降は6年計画とし、医療計画など他の計画と整合性を取るように定める。

 基本計画では全体目標として、(1)循環器病の予防や正しい知識の普及啓発、(2)保健、医療および福祉にかかるサービスの提供体制の充実、(3)循環器病の研究推進──の3つを掲げ、その達成により「2040年までに3年以上の健康寿命の延伸と循環器病の年齢調整死亡率の減少」を目指すとしている。

 脳卒中や心臓病といった循環器病は日本人の死因でがんに次いで多く、年間31万人以上の国民が亡くなっている。高齢者に限ると、65歳以上ではがんによる死者数とほぼ同数になり、75歳以上ではがんよりも多くなる(2018年「人口動態統計」)。

 後遺症で介護が必要となるケースも多く、何らかの介助が必要となる理由の21%を循環器病が占めているのに対し、がんはわずか2.6%(2019年「国民生活基礎調査」)。また医科医療費に占める循環器病の割合は約2割と最多で、がんの1.4倍ほどの医療費を使っている(2017年度版「国民医療費の概況」)。

 超高齢化が進む日本では、これから循環器病が大きな問題になっていく。一方で、脳卒中や心臓病の多くは、生活習慣を改善し、適切な治療を受けることで、予防でき、進行を抑えられる。そこで、政府は議員立法の「循環器病対策基本法」を成立させ、循環器病を予防し、医療や介護にかかる負担の軽減に本腰を入れることになったわけだ。

 国の循環器病対策推進基本計画で掲げた目標の実行部隊は都道府県。基本計画に基づき、各都道府県が対策推進協議会を設置して、具体的な施策を立案し実行するため「循環器病対策推進計画」を策定する決まりとなっている。現在、推進計画はほぼ出そろった状況だ。次はその計画がどこまで成果を上げるかが注目される。

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