「D to P with D」型オンライン診療とは、患者が主治医などの医師といる場合に行われるオンライン診療を指す。D to P with D はDoctor to Patient with Doctorの略。オンライン診療の形態は、医師がビデオ通話などを用いて直接患者を診察する「D to P」型が主流だが、他の医療者が介在する形態として、「D to P with D」型以外にも、医師が遠隔で看護師(Nurse)に指示を出して患者に処置する「D to P with N」型などがある。

 オンライン診療をめぐっては厚生労働省が適切な実施に関する指針を定めているところ。現在の指針では、初診時は「直接の対面」を原則とし、オンラインでの初診を容認していない。だが、「D to P」「D to P with D」「D to P with N」の3パターンのうち、「D to P with D」のみ例外的扱いで、オンライン診療を行う医師が、患者といる医師から十分な情報提供がされている場合は、初診であってもオンライン診療を行える規定となっている。

 2020年度診療報酬改定ではこうした「D to P with D」型を評価する診療報酬が新設され、かかりつけ医のもとで、事前の情報共有の上、遠隔地の医師が情報通信機器を用いた診療を行う場合、「遠隔連携診療料」として、3カ月に1回500点(1点は10円)を算定できるようになった。

 ただし、対象患者は「てんかん、または指定難病の疑いがあるもの」に限られ、患者との対面診療を行う主治医と、てんかん診療拠点機関または難病診療連携拠点病院の医師が連携し、ビデオ通話による専門的な診療を行った場合に同報酬を算定できる。保険適用の入り口として、かなりターゲットを絞り込んだ格好だ。

 診療報酬は主治医の医療機関で一旦請求し、双方の合議に基づいて専門医の医療機関にも一部を分配する形を取る。ちなみに、こうした協議の上での分配形式というのは、診療報酬上、非常に珍しい。

報酬で「D to P with D」パターンを後押し?

 その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、厚労省は2020年4月に、流行が落ち着くまでの時限的な特例措置として、初診からのオンライン診療を解禁した。現在もその状況が続く中、同省は感染が収まった後にも初診からのオンライン診療を恒久化する方向を固めた(関連記事)。2021年度中にも指針を改定して、都道府県に通知する。

 新指針では、オンラインでの初診は原則「かかりつけの医師」が行うが、それ以外の医師が患者の診療記録や診療情報提供書、健康診断結果などの医療情報を把握し、診察できると判断した場合も可能とする。患者の情報がない場合は、ビデオ通話などで医師と患者が事前に情報交換する「診療前相談」を実施する。

 なお、オンライン初診の解禁といえども、安全性確保の観点から、オンライン診療を行う前、あるいはオンライン診療実施の中で「オンライン診療では対処できない。対面診療に移行する必要がある」と医師が判断した場合は、速やかに対面診療に移行できる体制を整えておく必要がある。

 こうした指針の見直しに合わせ、2022年度の診療報酬改定作業も進むことになる。初診からのオンライン診療を安全に行うには、「D to P with D」パターンが望ましく、その推進に向け、前回の改定で新設された遠隔連携診療料の要件の見直しなどが行われることになりそうだ。

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記事初出時に「かかりつけ医」とあったのは、「かかりつけの医師」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。
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