軽度認知症の展望記憶、スマホで改善という研究成果も

 展望記憶の改善について、有効な治療薬はまだ開発されていない。そんな中、認知症の初期段階にある高齢者が、スマートフォンアプリを使うことで、展望記憶を要する日常生活動作を改善したという研究成果が2021年11月に「Journal of the American Geriatrics Society」に掲載された(関連記事:スマホアプリが認知症患者の「展望記憶」を改善)。

 この研究では、軽度認知障害もしくは軽度の認知症の診断基準を満たす55〜92歳の高齢者を対象に、スマートフォンアプリを用いた介入が、日常生活動作の改善に有効かどうかを検討した。具体的には、被験者にスマートフォンおよびボイスレコーダーアプリまたはリマインダーアプリの使い方を教え、4週間の間、どちらかのアプリを使ってもらった。

 その結果、被験者自身がこうしたアプリを活用できていると感じたことや、展望記憶を要する日常生活動作が改善したと感じたことが確認できたという。このほか、研究グループが用意した「決められた日に研究室に電話をかける」「決められた日に特定の場所の写真を撮る」といったタスクを、約半数が遂行できた。

 この結果を受け、研究グループは、高齢者がスマートフォンを操作して、アプリを物忘れ防止のためのツールとして活用できる可能性を示唆した。今後は、こうしたスマートフォンアプリが軽度の認知障害を持つ人与える影響を長期的に追っていくという。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)