ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを日常的に行っている子どもたちを指す。2020年度に国が中高生(ともに2年生)を対象に実施した初の実態調査の結果では、世話をしている家族が「いる」と回答したのは、中学2年生が5.7%、全日制高校2年生が4.1%だった。世話の頻度は「ほぼ毎日」が3~6割程度。平日1日あたり世話に費やす時間は「3時間未満」がもっとも多いが、「7時間以上」も1割程度存在した。また、当事者の6割超が誰にも相談したことがなかった。

 これを受け、厚生労働省と文部科学省は合同でプロジェクトチーム(PT)を設置し、2021年5月にヤングケアラーの早期発見や相談体制の整備、認知度向上といった支援策をまとめた。その後、政府が6月に閣議決定した「骨太の方針」にヤングケアラー支援が初めて明記され、国レベルの対策が本格化することになった。

 実際、政府は2022年度から3年間をヤングケアラー支援の集中取り組み期間と位置づけ、PTがまとめた支援策を実施に移す考え。2022年度政府予算案に関連費用を盛り込んだ。自治体による実態調査や研修、先進的な取り組みに補助金をつけ、施策を後押しする。

 ほかにも、ヤングケアラーの早期発見や適切な支援へつなげるため、今年4月に予定される2022年度診療報酬改定では、医療機関がヤングケアラーを自治体の支援窓口などに連絡した場合に加算を算定できるようにする。現在、中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で要件を詰めており、3月までに確定する。具体的には、入院した患者の家庭内にヤングケアラーがいる場合や患者自身がヤングケアラーの場合、病院のソーシャルワーカーらが生活を支える計画を作り、地域の福祉施設などと連携して支援につなげた場合が評価の対象となる方向だ。

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