外来機能報告制度とは、外来医療の実施状況を都道府県へ報告するよう病院などに義務づける制度のこと。2021年5月の医療法改正で創設された。2022年4月にスタートする。これまで病床の医療機能を報告する制度はあったが、外来機能についての報告制度はなかった。

 同制度の目的は、地域の医療機関の機能の明確化と連携の推進である。現在、患者が医療機関を選択するに当たり、外来機能の情報が十分得られているとは言えない状況にある。患者にはいわゆる大病院志向が根強く、一定の医療機関の外来患者が多くなり、長い待ち時間や勤務医の外来負担などの課題につながっている。

 大病院などへの患者集中を防ぐため、厚生労働省は2016年度から、紹介状なしの大病院受診に対する定額負担を義務づけた。現行制度では、大学病院などの特定機能病院と一般病床200床以上の地域医療支援病院を紹介状なしで外来受診した場合、初診時5000円以上・再診時2500円以上(歯科はそれぞれ3000円以上、1500円以上)の定額負担を求めている。

 とはいえ、大病院を紹介状なしに受診する患者はまだまだ少なくないのも事実。特に再診では他の医療機関を紹介しても、大病院を受診する患者が依然として3割以上存在する。そこで政府が2020年12月に閣議決定した「全世代型社会保障改革の方針」では、定額負担徴収の対象を拡大する旨を明記。その具体的な設定を任された厚労省は、外来機能報告制度を活用することとした。

 外来機能報告制度では、各医療機関に「医療資源を重点的に活用する外来」をどの程度実施しているかを報告してもらう。集めるデータは、抗がん剤を使う外来の化学療法や、日帰り手術、CTやMRI撮影の実施件数など(関連する診療報酬の算定状況から自動抽出)。ほかにも、紹介・逆紹介率、外来における人材の配置状況、高額な医療機器・設備の保有状況などに関する報告も求める。

 この報告結果を基に、都道府県は「地域における協議の場」を通じて、各地域で高度な外来を担う基幹病院を明確化する。医療機関は、初診と再診の「医療資源を重点的に活用する外来」が占める割合が初診40%以上、再診25%以上という基準を満たす場合、それぞれの意向を踏まえて、「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関(紹介受診重点医療機関)」と見なされる。このうち一般病床数200床以上の病院が外来定額負担徴収義務の対象に加えられる見通しとなっている。

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