プログラム医療機器(SaMD:Software as a Medical Device)とは、デジタル技術を利活用して診断や治療を支援するソフトウエアとその記録媒体を含むものを指す。汎用コンピューターや携帯情報端末などにプログラムをインストールして使用する。

 2014年にそれまでの薬事法が改正され、新たに施行された医薬品医療機器等法(薬機法)において、単体のソフトウエアも医療機器として認められることになった。なお、たとえ不具合が生じたとしても人体へのリスクが極めて低いと考えられる一般医療機器(クラス1)相当のソフトウエアは、医療機器に該当しないものとして取り扱う。AIを使った診断支援ソフトウエアや治療用アプリなどがプログラム医療機器に該当する。

 プログラム医療機器の開発・実用化は海外勢が先行しており、日本は後れを取っている。そうした状況を変えようと、日本政府もここへ来て体制整備を急ぐ。2020年11月には厚生労働省が「プログラム医療機器実用化促進パッケージ戦略(DASH for SaMD)」を公表。2021年4月1日付で省内にプログラム医療機器を評価するための部署(プログラム医療機器審査管理)を新設し、医療機器の審査を担う医薬品医療機器総合機構(PMDA)にも、プログラム医療機器を専門とする審査室(プログラム医療機器審査室)と一元的な相談窓口を設けた。

 また、医療機器の薬事承認や認証について協議する薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会の下にプログラム医療機器調査会を設置し、プログラム医療機器に関する事項を調査、審議することとした。

 このほか、プログラム医療機器をめぐっては、日常の健康増進活動支援などを主目的にした健康・医療ソフトウエアとの境界や、クラス1相当かそれ以上かが分かりづらいといった声があることを踏まえ、厚労省は該当性に関するガイドラインを策定し、2021年3月31日付けで発出した。

 その後、プログラム医療機器の新たな診療報酬上の評価についての検討も進んだ。国内で初めて治療用アプリとして2020年8月に薬事承認を取得した「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCO(一酸化炭素)チェッカー」(開発元:CureApp)は同年12月に保険収載されたが、その際は新たな評価体系ルールの議論が間に合わず既存の技術料を暫定的に準用。だが、2022年度の診療報酬改定に合わせ、製品の特性によって、新規の技術料や加算で評価していくのか、あるいは医療材料で評価していくのかなどが整理された。

 上記CureAppの製品に関しては、プログラム医療機器を使用して医学管理を行った場合に算定する「プログラム医療機器等医学管理加算」の項目が新設され、今年4月から、当該疾患の治療を行う際に算定する医学管理料に上乗せして算定できるようになった。