AGEsとは、Advanced Glycation End Productsの略語で、終末糖化産物のこと(Glycationは糖化の意味)。食事などで過剰に摂取した糖とたんぱく質が体温で加温されて結合すると、たんぱく質は本来の機能を失い、細胞や臓器の炎症を引き起こす原因物質となる。この変性したたんぱく質がAGEsで、近年その存在が明らかになり、老化促進物質として注目を集めている。

 糖化はよく「焦げ」として、ホットケーキなどを例に説明されることが多い。ホットケーキを焼くと表面がキツネ色になるが、これは材料である砂糖(糖)と卵や牛乳(たんぱく質)を合わせて加熱することで「焦げ」が発生するため。キツネ色の部分が糖化部分で、AGEsはここに発生する。AGEsが体中に増えると、肌や骨、血管などの老化が進みやすくなり、加齢に伴う様々な病気の引き金になると考えられている。体内に溜まったAGEsを取り除くことは難しい。

 AGEsが体に溜まるルートには、(1)体内のたんぱく質が糖化して生成される、(2)食事で摂ったAGEsが体内に蓄積するの2通りがあり、体内で作られるAGEs量は「血糖値の高さ×その持続時間」で決まる。血糖値に気を配り、AGEs量の多い食品を控えることが、AGEs対策のポイントだ。

 食事とAGEsの関係で覚えておきたいのが、食材差はもちろん、調理法によってもAGEs量は異なるということ。AGEsは、高温で長い時間調理するほど増えるのが原則で、同じ鶏肉料理でも、焼き鳥は水炊きの6倍、唐揚げは10倍もの量が発生するとされる。また、最近ではAGEsの生成を減らす食材の研究も進められており、抗糖化作用の強いスルフォラファンが含まれているブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)、青汁の原料として知られているケール、マイタケなどが注目されている。

 AGEsと老化については、食事以外の研究も盛んだ。昨年(2021年)、昭和大学の山岸昌一教授(医学部内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科学部門)らは、久留米大学医学部との共同研究により、「AGEsが蓄積している人は転んで骨折しやすく、よく笑う人はAGEsの蓄積が抑えられている」ことを発表し話題を集めた。

(タイトル部のImage:Goss Vitalij -stock.adobe.com)