Beyond Healthは2021年10月22日、日経クロスヘルスEXPO 2021において特別セッション「これが近未来の新市場『空間×ヘルスケア 2030』の全貌」を実施した。Beyond Healthが掲げる「空間×ヘルスケア 2030」をテーマに、イノベーションの起こし方や他産業との異業種連携、社会実装への道筋について議論が展開された(関連記事:「空間×ヘルスケア 2030」の意義と課題を有識者と議論)。

 セッションの前半ではまず、各パネリストがそれぞれショートプレゼンを実施した。本記事では、奈良県立医科大学 MBT(医学を基礎とするまちづくり)研究所 副所長(研究教授) 梅田智広氏によるプレゼンの様子をお伝えする。

奈良県立医科大学 MBT(医学を基礎とするまちづくり)研究所 副所長(研究教授) 梅田智広氏(写真:加藤 康、以下同)
奈良県立医科大学 MBT(医学を基礎とするまちづくり)研究所 副所長(研究教授) 梅田智広氏(写真:加藤 康、以下同)
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全国各地で様々な業種業界と連携

 奈良県立医科大学では、医学を基礎とするまちづくりである「MBT(Medicine-based Town)」をかねて推進してきた。MBT研究所の副所長を務める梅田智広氏は「医学に基づいた知見を社会実装していくのが狙い」と説明する。

 MBTを加速するため、2018年10月には奈良医大初の大学発ベンチャーとなるMBTリンクを設立。梅田氏は同社の代表取締役社長でもある。同社ではスマートウォッチやセンサーを通じてバイタルデータ、生活環境データなどを収集するデータマネージメントプラットフォームを構築してきた(関連記事:月額980円から、奈良医大発ベンチャーが放つ健康管理サービス)。

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 「日常生活のPHRと、医療を受けてからのデータを融合することが理想。MBTではこの視座から新たなプラットフォームを作ろうと考えている」。梅田氏はこう語る。

 MBTに関する取り組みで構築してきた様々なノウハウを生かし、現在は全国各地での実証を進めている。例えば、北海道沼田町と奈良医大は連携協定を締結し、現地にサテライトオフィスを設けた。「住民のニーズを意識してデータを採取している。約1年間、電力データを活用したライフスタイルセンシングを実施しており、個々のライフスタイルの特徴を抽出できるように研究を重ねている」(梅田氏)。

 奈良県天理市ではスリープテックを手掛けるスタートアップと協業し、睡眠、行動、環境、認知に関する経済産業省プロジェクトを梅田氏らが手掛けている。北海道更別町の事例では、みずほ銀行や地方銀行と協力し、モバイル決済との連携を想定。「データを蓄積し、インセンティブとしてポイントを集め、まちなかでお金を使うスキームを考えている」と梅田氏。決済を絡め、健康づくりのモチベーションを一気に高めていく考えだ。

 その他にも、筋電センサーのゲーム、パチンコをしながらのバイタル計測など、楽しみながら継続可能なゲーミフィケーションの仕組みを積極的に採り入れた実証も進めている。まさに、本セッションのテーマである「空間×ヘルスケア」のコンセプトと重なる取り組みを推進している最中だとした。

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(タイトル部のImage:日経BP)


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