アメリカで感染症の専門医の需要が増大しているそうです。薬剤耐性のある病原体が増え、薬が効かない感染症に罹患して死亡するケースが今後急増する事態が予測され、感染症の専門医の不足が懸念されています。一方、イスラエルのMeMed社が開発した「MeMedBV」が、2019年ヨーロッパ・テクノロジー・リーダーシップ賞を受賞しました。「MeMedBV」は人の免疫システムを活用し、医師が抗菌薬を処方する際の判断根拠をデータがサポートします。不要な抗菌薬の使用が減ることで、耐性菌の増殖に歯止めをかけられるのではないかとみられています。薬剤耐性に起因する死者数は2050年には全世界で年間1000万人に上ると推計され、世界中で対応しなければならない喫緊の課題といわれています。ヘルスケアの課題解決に、国境はありません。


以下では、2019年7月8~12日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • イスラエルMeMed社が、2019年ヨーロッパ・テクノロジー・リーダーシップ賞を受賞した。同社が開発した「MeMedBV」は人の免疫システムを活用し、感染症の原因が抗菌薬の効く細菌なのか、それとも抗菌薬が効かないウイルスなのかを短時間で判別することを可能にする、最新の診断ソリューションである。MeMedBVは、TRAL、IP-10、CRPという3つの免疫タンパク質のレベルをそれぞれ計測し、抗菌薬を使用した場合の患者への有効性を特定できる。医師が抗菌薬を処方する判断根拠をデータで明確化し、不要な抗菌薬の使用をなくすことで、耐性菌増加に歯止めをかける。また、MeMedBVは臨床現場で迅速検査(POC)として使用でき、検体をセンターに集めて処理する従来のシステムに比べ、サイズもコストもわずか百分の一に削減される点が高く評価されている。
    Frost & Sullivan Recognizes MeMed with 2019 European Technology Leadership Award

  • 介護士不足という社会的な課題に取り組むビジョナリーカンパニー、米BookJane社が、介護士をオンラインですぐに予約できるオンデマンド・ブッキング・プラットフォーム「BookJane J360」をカナダと北米に展開。介護士として登録できるのは、選ばれた有資格者のみであり、市場平均よりも高水準の賃金体系、研修制度、インセンティブプログラムが用意されている。500以上の病院、介護付き老人ホーム、デイサービス会社などがこのプラットフォームにアクセスし、条件に合う介護士を最短で2時間前に予約できる。予約をする施設側のメリットとしては、空いているシフトをなくし、95%の稼働率を確保できること。これは、業界では革新的な数字である。また、今までは電話で人材を確保するために使用していた時間を、患者のケアに充てられるようになる。登録者は、スマートフォンアプリを使って自分の都合に合わせて職を探すことができ、ギグエコノミー(インターネットで単発の仕事を受注する働き方)の介護士やヘルパーにとって働きやすい環境が整うことが期待される。
    BookJane Launches Its BookJane J360 Platform for Major North American Retirement Homes and Child Care Centres

  • 香港で、韓国産牛肉「韓牛」(Hanwoo)の人気が高まっている。韓牛は、オレイン酸などの栄養素が他国からの輸入肉に比べて多いことが科学的に証明されている。成人30人が行った実験によると、1か月間毎日韓牛を食べた後の場合と、他の輸入肉を1か月間毎日食べた場合の善玉コレステロールの数値を計測すると、韓牛を食べた後の方が明らかに高いという結果が出た。香港は目下自然食品ブームであり、自然食品の売り上げが昨年よりも4%増加している。韓牛の丁寧で衛生的な育て方もネット上の口コミで広がり、信頼性の高い流通の追跡システムや、国内の厳しい規制を満たしていないと販売できない仕組みが韓牛の信頼性を高め、人気を後押ししている。
    Naturally Healthy Korean Beef Hits the Spot with Proven Health and Well-being Benefits

  • 米DaVita社が政府イニシアチブに参加し、腎臓疾患治療にイノベーションを起こそうとしている。ここ10年の間に腎臓病の予防治療、在宅透析、腎臓移植は増加しており、同社は腎臓病患者に最適な治療オプションを提供することで、QOL(生活の質)の向上に寄与する狙い。「Kidney Smart」という教育プラットフォームでは、腎臓病に関する正しい基礎知識や食事療法などを延べ16万5千人に提供し、在宅透析を選択する患者の数を6倍に増やした。現在、「Transplant Smart」に登録している腎臓移植希望者は10万人以上いる。今後、臓器不足などの課題解決が急務だ。
    DaVita Continues to Transform Patient Care, Pushes for Continued Innovation in Kidney Care

  • 医療大麻直販企業、米Medical Marijuana社が自社製品のブランディングを刷新し、新たなウェブサイトで製品を提供し始めた。同社は2019年度第一四半期の利益が昨年同時期と比べ130%増加し、大麻由来のカンナビジオール市場の成長の波に乗る。消費者主導型の検索しやすいウェブサイトには教育コンテンツも用意され、患者の個々のライフスタイルに最適な製品を提案する。製品のラベルもオシャレに生まれ変わり、家庭のインテリアに自然に馴染むデザインを採用した。
    Medical Marijuana, Inc. Subsidiary Kannaway® Announces Updated Branding Strategy and Website to Expand Consumer Reach