世界では、約22億人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち1億5000万人近くが湖や河川、用水路などの未処理の地表水を利用しているといわれています。そうした不衛生な環境が感染症を蔓延させ、下痢などで命を落とす人も少なくありません。そんな状況を改善するテクノロジーとして注目されるのが、米国の会社が開発した、泥水を飲料水に変えるストロー式携帯浄水器「LifeStraw」。浄水器に内蔵されているフィルターは、化学薬品や塩水はろ過できないものの、大腸菌などの細菌や寄生虫を100%近く除去するそうです。使い方は簡単で、ストローから吸うだけ。ストロー1本で約4000Lの水が濾過可能であり、1日2Lの水を使うとしても5年はもちます。重さはたったの56g。アウトドアのお供に、また防災用品としても常備したいアイテムです。


以下では、2019年7月15~19日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・Amazon Prime Dayの爆発的ヒット商品「LifeStraw」、20万人以上の世界の子供たちにきれいな飲み水を無料提供
  •  米LifeStraw社は、細菌や寄生虫、マイクロプラスチックを除去する革新的な浄水器を2005年に開発し、寄生虫感染症であるメジナ虫症の撲滅にも貢献した。2019年のAmazon Prime Day(年に一度のプライム会員向けのバーゲンセール)では、昨年に引き続き、同社のストロー型携帯浄水器「LifeStraw」が売り上げトップを飾り、20万個が飛ぶように売れた。LifeStrawは、今や防災用品、またアウトドア愛好家の間では必需品となり、このストローがあれば、川や池の水を安心して飲める。同社は、グローバル・ギブバック・プログラムを立ち上げ、「商品が1個売れるにつき、1人の子どもに安全な飲み水を1年間保障する」と宣言し、支援活動を実施中である。LifeStrawの売り上げの一部でケニヤ、インド、メキシコの学校に大型の浄水器を提供し、現地にスタッフを派遣してフォローアップ、教育、メンテナンス、データ収集を行っている。2019年末には、延べ1870の学校において、300万人の子どもたちに2億Lのきれいな水が提供されたことになる。商品が売れるたびに、顧客満足と人道的支援が両立する。LifeStraw社の社会的インパクトは大きい。
    LifeStraw Personal Water Filter Straw Again Earns Position As "Top Deal" During 2019 Amazon Prime Day

  • ・中国の「インターネット病院」モデルで、AIによる病気の診断・薬の処方と配送・アフターケアが自宅で可能に
  •  オンライン・ヘルスケア・エコシステム・プラットフォームを提供する中国のPing An Healthcare and Technology社が、中国50の大手病院と戦略的に連携し、「インターネット病院」の構想づくりに取り組んでいる。インターネット病院では、オンライン診断、処方箋の情報共有、健康管理の3つの分野に同社の最新の人工知能(AI)技術が活用される。今までになかったサービスとして、診察を受けた後のフォローアップ、処方箋のデータ化、薬の自宅への配送、慢性疾患の長期的な記録などが提供されるようになる。病院には外来時間外の対応ができないことや、地理的に通院が難しいなどの課題がある。インターネット病院はこういった問題を解決すると同時に、病院の豊富な知見とオンライン技術を融合することで、医療システムの効率化と患者の満足度の向上を図る。
    Ping An Good Doctor Joins Forces With Nearly 50 Hospitals in China to Build New "Internet Hospitals" Model

  • ・米REGENXBIO社の遺伝子治療技術が初めて米食品医薬品局(FDA)で承認される
  •  臨床段階に特化するバイオテクノロジー企業REGENXBIO社が開発したNAVテクノロジープラットフォーム「ZOLGENSMA」が、1万人に1人の割合で発症する消耗性の難病である脊髄性筋萎縮症の遺伝子治療に使用されるようになる。この病気は遺伝性であり、運動のために使う筋肉をコントロールする神経に影響が生じ、筋肉が徐々に低下する。ZOLGENSMAは、2歳以下の患者のSMN1遺伝子の異常に対し、遺伝子のコピーを提供することで、たった1度の治療で病気を治すことができる画期的な治療法である。米国に続き、欧州と日本でも2019年度中に承認されることが期待されており、今後、網膜、神経変性、代謝症候群など、様々な疾患に応用できるだろう。
    REGENXBIO Announces First FDA Approval of a Gene Therapy Based on Its Proprietary NAV® Technology Platform

  • ・ヘルスケアのアイデアや新技術を競う、第3回QuickFirechallenge in Smart Healthcareがソウルで開催
  •  韓国Janssen Korea社とJohnson & Johnson Innovation社がソウル市と、ヘルスケア開発を支援する政府機関であるKHIDIと協賛し、今年で3回目となるQuickFirechallenge in Smart Healthcareを開催。ヘルスケア業界にイノベーションを起こそうと奮起するスタートアップ企業や研究者、学生から、アイデアや新技術の応募を募る。最も優れていると評価された2団体または個人は、賞金約1400万円のほか、1年間の特典として、ソウルバイオハブ(バイオ医療機関のスタートアップ企業のための施設)の使用、専門家からのコーチング、Johnson & Johnson Innovationのリソースにアクセスできる権利が与えられる。対象分野は、ビッグデータやブロックチェーン、3DプリンティングやIoT(モノのインターネット)、パーソナライズ・メディシン(個別化医療)、コンパニオン診断(医薬品の効果や副作用を投与前に予測する臨床検査)など多岐にわたる。「ヘルステックのパワーハウス」と呼ばれるアジア太平洋地域を中心に、若き起業家を醸成し、ライフサイエンス分野の活性化を狙う本イベント。応募締め切りは、9月15日である。
    Janssen Korea Ltd. and Johnson & Johnson Innovation Announce Launch of Seoul Innovation QuickFire Challenge in Smart Healthcare in Collaboration with Seoul Metropolitan Government and Korea Health Industry Development Institute