アメリカのWINDGO社が、ウェアラブルデバイス用のIoT(モノのインターネット)センサー技術を開発し、米国特許を取得しました。この特許を使って、近い将来、「スマート絆創膏」や「スマートオムツ」、「スマート衣類」などの健康管理グッズが次々と商品化されそうです。「スマート絆創膏」を使用すると、絆創膏が傷の状態を検知し、体温、酸素レベル、細菌数などを測定して、最適な抗生物質や痛み止めを傷口に自動的に塗布してくれます。「スマートおむつ」は、センサーで吸収モード、おむつかぶれ防止モード、消臭モードなど最適なモードに切り替わります。「スマート衣類」は、寝たきりの患者の身の回りの細菌の繁殖や床ずれなどをいち早く検知して、防いでくれます。IoTによって24時間健康管理ができれば、不快な状況をゼロに近づけることができるようになるかもしれません。


以下では、2019年8月12~16日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・スマート素材と振動エネルギー移動技術によりIoTが躍進
  •  スマート素材と振動エネルギー移動技術の研究開発を行う米WINDGO社は、ウェラブルデバイスにIoTセンサーを搭載する技術を開発し、米国特許を取得した。この特許を用いて、今後たくさんのウェラブルデバイスが商品化されることが期待される。例えば、同社が開発したスマート素材を使った「スマート絆創膏」や「スマートおむつ」、「スマート靴下」などが生体データを読み取り、データをスマートフォンなどの遠隔デバイスへBluetooth BLE、Wi-Fi、RFID/NFC経由で送信するようになるだろう。 センサーで読み取ったデータは記録・図式化され、データアナリティクスとして健康状態の診断に使用できるようになる。モニタリングにかかるコストは、IoTのクラウドコンピューティングや機械学習・人工知能(AI)を用いることで低く抑えられる。急な発作などで緊急対応が必要になった場合は、患者側は何ら操作をしなくても、自動的に医療機関に通知されるため、発見の遅れも防げるようになる。IoT通信端末市場は2025年までに1兆ドル(約105兆円)を超すといわれており、多くのチャンスが眠っている。
    WINDGO Granted IoT Wearable Products Patent

  • ・がん細胞が発する「声」を聞き分ける、新たながん診断機器
  •  ロシア国立科学技術大学(NUST MISIS)の研究者グループが、「レーザー超音波トモグラフィー(断層撮影法)」と「リアルタイムの光音響トモグラフィー」を組み合わせた新たな機器を開発した。このシステムを使うと、腫瘍を高い精度で検知できるようになり、手術をすることなく、超音波スキャンのみで、がんの境界を正確に計測できるようになるそうだ。また、手術中に患者の血管をオンラインで視覚化し、血管置換治療やステント治療において、医療用の針を血管に挿入するのにも利用できるという。この新しく開発された超音波技術を使うと、今まで判別が難しかった臓器の違いを精密に見分け、がんを特定できるそうだ。光音響とレーザー超音波の二つの方法を同時に用いることで、臓器やがん細胞がレーザーパルスに反応した時に発せられる「超高音の声」を聞き分けて臓器の画像を作成することが可能になった。がんを早期に見つける新たな手法として、研究が進められている。
    Squeak Of Cancer: Scientists From NUST MISIS Develop a New Ultrasound Tomography System for Cancer Diagnosis

  • ・最適な理学療法機器を使ってアクティブエイジングを推進
  •  台湾Dyaco社は、オランダPhilips社とライセンス合意し、アクティブエイジング・リハビリテーション用専門機器をヨーロッパ、中東、アフリカで販売開始する。Philipsの専門機器にはランニングマシンや、車いす利用者も使用できるトレーニンング機器、リカンベントと呼ばれる、座席に付いた背もたれに寄り掛かり、仰向けの状態でハンドルより前方にあるペダルを漕ぐトレーニング機器、直立で使用するトレーニング機器などがあり、患者が自分の体の状態に合わせて負担なく、適した運動ができる。アクティブエイジングとは、「人々が年を重ねても生活の質が向上するように、健康と参加と安全のチャンスをもっともふさわしいように最適化する過程のこと」を指す。理学療法士が患者のために選択する、最適な運動療法機器の種類がますます増えることで、「活発な高齢化」の実現につながっていく。
    Dyaco International Launches Philips Physical Therapy Solutions in Europe, Middle East, and Africa

  • ・術後の痛みには、より安心な非麻薬性鎮痛薬を
  •  米Nephron Pharmaceuticals社は米InfuTronix Solutions 社と提携し、低コストで効果の高い非麻薬性鎮痛薬を術後に提供できるようにする。オピオイド(麻薬性鎮痛薬)の過剰投与は、米国で大きな社会問題となっており、この新たな非麻薬性のペインマネジメント手法を用いることで、多くの命を救えると期待される。従来、整形外科手術や背中・腹部の手術後の手当てにはオピオイドが使用されてきたが、患者のオピオイドへの依存や高コストが問題視され、代わりとなる治療法が模索されてきた。新ソリューション「Nimbus II PainPRO」は、InfuTronix社が開発したペインブロッカー電子ポンプを用いて、非麻酔性の薬剤を手術部位に的確に送り続け、痛みを制御できる。デバイスにはセーフガードが設けられ、薬剤の投与量を事前に制限して、適量を保つことが可能だ。また、制限された投与量内であれば、術後の回復期間を、例えば2日間から4日間に延ばすことなども可能であり、患者が自分で記録を取り、アプリを通して医師がモニタリングできる。本ソリューションのコストは、Nephron社の革新的な点滴静注バッグを利用することで大幅に下げることができたという。2社の製品提携で実現したNimbus II PainPROにより今後、非麻薬性治療の利用が一気に拡大するだろう。
    New Nephron Partnership Offers Solution for Opioid Crisis