使用済みの単回使用医療機器(single-use device:SUD)の「再製造品」第一号が日本で初めて承認された。厚生労働省および医薬品医療機器総合機構(PMDA)が8月30日に発表した。日本ストライカーが申請していた「再製造ラッソー2515」(販売名)で、心臓電気生理学的検査や一時的ペーシングなど心臓の検査・処置に用いる高度管理医療機器。原型医療機器はジョンソン・エンド・ジョンソン製の「ラッソー2515」。厚労省によると、米国では2008年から、欧州では2016年から再製造SUDとして使用されているという。 

 既報通り、日本ではSUDを院内で独自に洗浄、滅菌処理して再利用する医療機関がいまだに少なくない。しかし、SUDの院内洗浄・滅菌による再使用は、不完全な処理に伴う感染リスクに加え、医療機器の性能・安全性を保証できないため、行うべきでないことが世界の共通認識となっている。米国では2000年に先行してSUDの再使用を禁止して再製造を認めている。

図1●再製造SUDに関する新たな仕組み(出所:厚生労働省「単回使用医療機器の「再製造」に関する新しい制度を創設します」別添 単回使用医療機器の再製造について[概要])

 日本でも、SUDの再利用による院内感染事故が相次いで報道されたことなどから、2015年に厚労省で有識者会議が発足。制度として再製造を行う仕組みの検討に着手し、2017年7月に医薬品医療機器等法(薬機法)の施行規則を改正し、再製造の制度化に至った(図1)。新制度の下では、SUDの再製造の許可を受けた事業者がその責任のもとで収集、分解、洗浄、部品交換、再組み立て、滅菌などの処理を行い、原型品と同じように薬機法に基づく再製造品の製造販売承認を受ける。2019年には、洗浄・滅菌ガイドライン等検討委員会の報告書も取りまとめられ、運用に向けた体制整備が進んでいた。

 本品についても、十分な清浄性が確保されていること、品質、有効性及び安全性が担保されていることをPMDAが審査で確認の上、承認されている。日本ストライカーによれば、国内で原型品を収集後、いったん米国の実績ある再製造工場に運び、既に市場に出ている海外品と同様の工程を経た上で国内出荷する計画。現在、保険償還申請の準備中で、保険償還後にすみやかに販売していく予定だという。

 日本ストライカーは、米ミシガン州に本拠地を置き、世界100カ国以上で事業展開する医療機器メーカー、ストライカーコーポレーションの日本法人。ストライカーは米国で再製造SUD市場にいち早く参入し、最も高いシェアを誇る。米国での再製造SUDの市場規模は2017年時点で約3億ドル(約330億円)と推計されており、うち65.6%を同社が占める(出典:Millennium Research Group, Inc.)。国内でも、今回の初承認をきっかけに今後、再製造SUDの事業化に向けた動きが活発化しそうだ。

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