先々週のニュースダイジェストで、介護施設入所者の健康や生活に関する問題をロボットで解決・支援しようというスタートアップが増えていると紹介しましたが、医療介護従事者の業務省力化・負担軽減にロボットを活用しようという、産官学連携による取り組みも実装段階に入っています。

 国立国際医療研究センターと日立製作所は9月17日、ヒューマノイドロボット「EMIEW3」による入院説明業務補助・代行の医療従事者負担軽減効果の評価研究を開始したと発表しました。EMIEW3(エミュースリー)は、店舗や公共施設などで接客・案内サービスを行うことを目的に日立が開発したロボットで、音声対話AI(人工知能)を搭載することで、対応できなかった質問をロボット自身が職員に確認し、自発的に日々成長するそうです。既に羽田空港や商業施設で、EMIEW3を使った接客・案内サービスの実証実験を行ってきており、その対象を病院業務にも広げた格好。多くの医療機関では、看護師をはじめとした医療従事者は入退院に関する手続きや注意事項など、患者への定型的な説明に多くの時間を費やしており、ロボットがそれを代行すれば、看護や処置など本来の業務に専念できるようになり、医療の質向上につながります。

 近年の診療報酬改定で、アウトカムや質を重視し多職種の配置を求める加算が相次ぎ新設され、医療の高度化やサービスへの患者の要求水準の高まりも相まって、多くの病院では従業者数を増やさざるを得ず、人件費の伸びが経営を圧迫しています。今後、ロボットをはじめとしたIT(情報技術)導入による業務省力化は病院には必要不可欠であり、スタートアップ企業にとってはビジネスチャンスです。折しも経済産業省関東経済産業局が、デジタル、IoT(モノのインターネット)、AIなど新たなテクノロジーの活用による、医療現場の働き方改革や介護者の負担軽減などをテーマに、自治体等とヘルスケアベンチャーの連携を促進するセミナーを10月11日に都内で開催するとのこと。興味ある方は行ってみてはいかがでしょうか。(大滝隆行=Beyond Health)


以下では、2019年9月17~20日に配信されたプレスリリースの中から編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(WebサイトやPDFなど)にリンクいたします。

【ビジネス】

【プロダクト/サービス】

【要素技術】

(タイトル部のImage:jalisko -stock.adobe.com)