ソーシャルメディアの利用時間が長い若者は、社会的ひきこもりや不安、抑うつなどになりやすいとする研究結果を、米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のKira Riehm氏らが「JAMA Psychiatry」9月11日オンライン版に発表した。12~15歳の男女を対象としたこの研究では、FacebookやInstagram、Twitterなどのソーシャルメディアの利用に1日3時間以上費やす若者は、不安や抑うつなどの精神的な健康問題を抱えるリスクが約2.5~3倍に上ることが分かったという。

 Riehm氏らは今回、2013年から2016年にかけて、米連邦政府の助成を受けて実施された全米の若者6,595人を対象とした調査のデータを解析した。その結果、ソーシャルメディアを全く利用していない若者の割合は全体の17%未満だったのに対し、1日当たりの利用時間が「30分以下」の若者は約32%、「30分超3時間以下」は31%、「3時間超6時間以下」は12%、「6時間超」は8%をそれぞれ占めていた。

 また、ソーシャルメディアの利用時間が長いほど不安や抑うつ、孤独感といった「内在化問題」を抱えるリスクが上昇した。例えば、内在化問題を抱えるリスクは、ソーシャルメディアを全く利用していない若者と比べて、利用時間が「30分超3時間以下」の若者では約2倍、「3時間超6時間以下」では約2.5倍、「6時間超」は約3倍であった。

 同様に、ソーシャルメディアの利用時間が長いと、内在化問題だけではなく、いじめや強いストレスを感じた時に無謀な行動を取る行動化(acting out)、注意力の欠如などの「外在化問題」を同時に抱えるリスクも約2~4倍以上に上っていた。一方、調査では、ソーシャルメディアの利用時間と外在化問題のみとの関連は一貫していなかった。

 これらの結果を踏まえて、Riehm氏は「今回の研究では、ソーシャルメディアを利用する時間の長さと若者が不安や抑うつなどの問題を抱えるリスクの関連が明確に示された」と説明。その上で、「ソーシャルメディアの利用時間が1日3時間を超える若者は、メンタルヘルスに問題を抱えるリスクが高い」と結論づけている。

 これまでの研究でも同様の結果は示されているが、ソーシャルメディアが若者の心理状態に影響する理由は明らかになっていない。この点について、Riehm氏は「ソーシャルメディアをみると自分以外の全ての人は充実した日々を送っていると錯覚し、自尊心を傷つけられるのではないか」との見方を示している。

 一方、この研究には関与していない米ピッツバーグ大学メディア・テクノロジー・ヘルス研究センターのCesar Escobar-Viera氏は、「ソーシャルメディアが気分や感情に及ぼす影響については議論が続いている」とし、利用しているサイトの数や利用回数も重要な指標である可能性があることや、観察研究では関連が示されるに過ぎず、因果関係は証明されていないことを指摘している。

[HealthDay News 2019年9月11日]

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