医療AI系スタートアップのエルピクセルはこのほど、AI(人工知能)を用いた医用ソフトウエアに関する薬事承認を取得した。脳MRI画像を深層学習(Deep Learning)で解析し、脳動脈瘤の疑いがある部分を検出する医用画像解析ソフトウエア「EIRL aneurysm(エイル アニュリズム)」である(同社の関連記事:AI画像診断、高質の教師データが強者を決める)

 医薬品医療機器等法に基づき、「管理医療機器」としての承認を取得(承認番号:30100BZX00142000)。日本国内での発売を開始する。同社によれば、深層学習を活用した脳MRI分野のプログラム医療機器として日本初の薬事承認になるという。

 世界有数のMRI保有国である日本では、比較的安価にMRI検査を受診できることから「脳ドック」が普及している。このため、「未破裂脳動脈瘤」が発見されるケースが多くなっている。「脳動脈瘤」は破裂することで「くも膜下出血」の要因となる。

 今回のソフトウエアでは、脳MRI画像より2mm以上の嚢状動脈瘤に類似した候補点を検出しマークを表示することで、医師による読影をサポートする。医師単独で読影した場合の感度68.2%と比べ、同ソフトウエアを用いて読影した場合は感度77.2%となり、診断精度の向上が認められたとする。

ワークステーションなどに表示される「脳動脈瘤」候補点検出イメージ(出所:エルピクセル)

 国際的な医用画像規格「DICOM」に準拠している。このため、医療機関で既に導入しているPACS(医用画像管理システム)やモダリティから画像データを送受信し、医師の手元にあるワークステーションなどに解析結果を出力することができる。

 現場では、MRIをはじめとするモダリティの進化とともに画像情報が膨大化しており、読影診断を担う放射線科医、脳神経外科医の作業量が増えている。今回の技術は、効率的な医療の実現、すなわち「医師の働き方改革」の推進にもつながるとしている。

エルピクセル 代表取締役の島原氏(写真:飯塚 寛之)


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