スワブ(綿棒)により採取した鼻腔ぬぐい液の遺伝子検査で肺がんの発症リスクを調べることができる日が来るかもしれない──。そんな可能性が、米レイヒー病院・医療センターの呼吸器インターベンション専門医であるCarla Lamb氏らが実施した予備研究で示された。この研究結果は米国胸部疾患学会(CHEST 2019、10月19~23日、米ニューオーリンズ)で発表された。

 この検査法は、まだ実験段階のものだが、ほとんどの肺がん患者が喫煙者または元喫煙者であることに基づき考案された。非侵襲的な方法で肺がんリスクが高い人と低い人を見分けることを目的としたもので、鼻腔から採取した検体の遺伝子検査により、長年にわたってタバコの煙に曝露していたことによる遺伝子損傷の有無を調べるのだという。

 Lamb氏らは、CT検査で悪性の可能性がある肺結節が確認された261人を対象に、スワブで鼻腔内をぬぐい、採取された検体の遺伝子検査を実施し、この検査法の精度を評価した。なお、患者の結節が本当に肺がんであるか否かは後の追加検査で確認されたが、スワブによる研究期間中に研究チームが最終的な検査結果を知らされることはなかった。

 この検査では、喫煙に起因する遺伝子損傷を示す変化が認められた患者は「高リスク」に分類された。これは、患者が肺がんであることを意味するわけではないが、より侵襲性の高い検査が必要になる。一方、遺伝子損傷を示す変化が認められなかった患者は「低リスク」に分類された。低リスク患者では侵襲的な検査は必要ではなく、定期的なCT検査とモニタリングが行われる。

 評価の結果、鼻から採取した検体によって、肺結節が良性であった患者の40%以上を95%超の感度で「低リスク」と分類できたことが明らかになった。一方、肺結節が悪性であった患者についても、40%以上を94%超の特異度で「高リスク」と分類できていた。また、全ての肺結節について、大きさや位置、がんの種類やステージにかかわらず、一貫した検査結果が得られたという。そのほか、Lamb氏は結果について、「特異度が非常に高かった」と評している。つまり、高リスクと分類された患者では追加検査により高確率で肺がんが発見されていたということである。