病気や事故などで損なわれた体の組織や機能を、細胞技術により元に戻す「再生医療」。いま様々な細胞技術が動物実験から臨床のステージに上がり、花開こうとしています。佐賀大学とベンチャー企業のサイフィーズは11月12日、独自に開発したバイオ3Dプリンターで作製した「細胞製人工血管」を、世界で初めてヒトへ移植する臨床研究を開始すると発表しました。

 現在、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を網膜や心筋、神経等の細胞に分化させて移植したり、間葉系幹細胞を体内に投与して組織再生を図る臨床研究が進んでいますが、再生医療の究極の目的は、臓器を創生し移植できるようにすることです。それを実現するには細胞から立体の構造物を作る技術が必要ですが、細胞を不安定な液体中で培養し立体構造を作るのは容易ではありません。

 佐賀大学とサイフィーズは、バイオ3Dプリンターを利用して、細胞を団子にして剣山状の針に刺して団子同士を積層させて細胞塊をつくる方法を開発。実際、血圧の何倍もの圧力に耐えられるヒト細胞由来の人工血管を作製し、ミニブタに移植する実験も成功させています。今回の臨床研究では、血液透析患者を対象に、患者自身の細胞のみから作製した人工血管を動静脈内シャント用に移植するというもの。成功すれば、iPS細胞技術に続く日本発の「再生」テクノロジーとして世界の注目を集めそうです。(大滝 隆行=Beyond Health)


以下では、2019年11月11~15日に配信されたプレスリリースの中から編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(WebサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

【プロダクト/サービス】

【要素技術】

(タイトル部のImage:jalisko -stock.adobe.com)