課題の1つは、デバイスが小さな部品を組み合わせて構成されていること。仮に部品の一部がはずれて乳児が飲み込むと、窒息などを起こしかねない。この危険性に対応するためSempionatto氏は、すべての部品を1つの容器にまとめる必要があると述べている。

 もう1つの課題は、乳児の口の中に食べ物の残渣がある場合の測定結果への影響だ。この懸念のためプロトタイプを用いた実証実験は成人患者を対象に行われた。「成人ボランティアなら歯を磨いてからおしゃぶりをくわえるように依頼できる。しかし乳児の場合は全く異なる」とSempionatto氏は語り、乳児はしばしばミルクを吐き出すことから、口の中に残っているミルクが測定結果に影響を及ぼす可能性を指摘する。

 このように未解決のハードルは存在するものの、研究者らはこのデバイスについて多くの期待を寄せている。若年性糖尿病研究財団(JDRF)のSanjoy Dutta氏は、この新技術について「非常に革新的だ」と述べている。同氏によると、これまでにJDRFは血液採取による血糖自己測定の代替となり得る多くの新規デバイスの研究に資金を提供してきており、検体は涙、唾液、呼吸、さらにはタトゥーにも及んだという。しかし血糖自己測定ほど正確なものはまだない。現時点において、皮下に微小なセンサーを留置し組織液の糖濃度を血糖値に換算するCGM(連続血糖測定)の精度が高いとしている。

 この点について、Sempionatto氏も「1型糖尿病の患者はCGMでモニターすることが望ましい」と同意する。しかし、おしゃぶりを用いるというアイデアは、「乳児の血糖測定を、完全に非侵襲的に行うという選択肢になり得る」と語っている。同氏は「微小のセンサー、針、デバイスでさえ新生児には大きすぎ、傷つける可能性がある。おしゃぶりは、乳児の体に装着しなくてよい」と新デバイスのメリットを強調している。

[HealthDay News 2019年 11月1日]

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