「ジェンダー・フルイディティー」や「ジェンダー・ニュートラル」というのが、今の美容整形業界のトレンドだそうです。あまり聞いたことがない言葉ですが、ジェンダーに境界線を引かずに、流動するもの(fluidity)として捉えようという意味が込められています。米国の美容整形外科の権威であるアレクサンダー・リブキン博士によると、最近の美容整形外科手術の傾向として「男はこうあるべき、女はこうあるべき」という伝統的な観念にとらわれずに、女性は力強さ、男性は華やかさをフェイスラインに求めるようになってきているといいます。美容やファッション界だけではなく、心と体の健康を目指すヘルスケアと医療界においても、ジェンダー・フルイディティーが新たなアプローチになりそうです。


以下では、2019年11月25~29日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・今最も新しい美容の在り方、「ジェンダー・フルイディティー」
  •  手術を行わない美容整形外科の権威であるアレクサンダー・リブキン博士が最新の美容トレンドについて発表した。今、最も新しい美容の在り方とは、「ジェンダー・フルイディティー」だという。男性にも女性にも分類されない性別認識である「ノンバイナリー」がファッションと美容の主流となり、レッドカーペットを歩くグラマラスなルックスよりも、マテル社の「ジェンダーフリー人形」に見られるように、男女の性差が少なくなってきている。ちなみに、ジェンダーフリー人形とは、バービー人形で知られるマテル社が発表した、社会に存在するジェンダーステレオタイプを取り除くことを目的としたコレクションである。「男の子はこうあるべき」「女の子はこうあるべき」といった既成概念の枠にとらわれずに、人形を中性的な小物や服で自由にカスタマイズして遊べる工夫が施され、時代に敏感な若い親世代の間でちょっとしたブームとなっている。

     リブキン博士は、クリニックを訪れる患者の好みが伝統的な女性らしさではなく、よりニュートラルな外見へと移っていると言う。「患者の美学は明らかに中性寄りに傾いている。女性は男性的な要素を、男性は女性的な要素を外見に取り入れたがるようになってきた」と語る。「昔は、女性は鼻をなだらかなスロープ型にし、ソフトな輪郭を求めたが、今はシャープで真っすぐな顎のラインや鼻が人気ある。男性は、唇や頬にボリュームを加えることで若々しさと華やかな魅力を加えるようになってきている」

     リブキン博士は非侵襲的で、非剥離的な手法を用いる新たな美容整形テクニックを編み出してきた。フィラーと呼ばれるミクロサイズやナノサイズの素材を正確に鼻や顔のラインに施術し、ボトックスと組み合わせて16年間、美容整形の最前線で活躍してきた。「最近の美容トレンドの変化は特に著しい。女性は自信と強さを、男性は繊細さを求めるようになり、この性差の流動性が、現代の美の姿だ」と言う。「ジェンダー・フルイディティー」は、これからの美容整形や美容ビジネスの重要なキーワードとなりそうだ。
    Dr. Alexander Rivkin Reveals Gender Neutrality May Be the Next Big Cosmetic Surgery Trend

  • ・ソフトバンクとのジョイントベンチャー、リキッドバイオプシーで受賞
  •  ソフトバンクと米Guardant Health社のジョイントベンチャーである米Guardant Health AMEA社は、プレシジョンオンコロジー(精密腫瘍学)の世界的リーダーとしてがん撲滅に取り組んでいる。その実績が認められ、米Frost & Sullivan社が主催するGrowth Excellence Leadership Awardの2019年アジア太平洋リキッドバイオプシー「ベストプラクティス」賞を受賞した。Guardant Health AMEA社のCEOであるシムランジ・シン氏は「今回の受賞をうれしく思う。私たちは、アジア・中東・アフリカ(AMEA)地域のステージの高いがん患者に画期的なリキッドバイオプシー「Guardant360アッセイ」を提供し、正しい治療サポートを続けてきた。ラボで患者の検体を受け取ってからわずか7日間で医師に分析結果を送付し、患者にとって最適な治療を行うサポートができる」と語る。

     リキッドバイオプシーは、内視鏡や針を使って腫瘍組織を採取する従来の生検(biopsy)に代わり、血液などの体液サンプルを使って診断や治療効果予測を行う技術。患者の負担が小さく、しかも腫瘍の遺伝子情報を踏まえた治療につながるとして、世界中で研究開発が進められている。Guardant360アッセイは2014年に導入されて以来、6000人以上のがん専門医から10万件以上の分析依頼に応えてきた。複数の種類の固形がんに対し、研究者仲間によるピアレビューが140件以上集められ、アッセイの臨床効果が報告されている。日本でも、Guardant360アッセイは肺がんのLC-SCRUM(遺伝子スクリーニング)や胃がんのGOZILA(血液を用いた遺伝子解析研究)などのスクリーニングプロジェクトに使用され、がん患者と適切な治療薬のマッチングを行う「プレシジョンメディシン」が促進されている。

     独自の血液検査技術、豊富なデータ、先端的アナリティクスを活用したGuardant Healthオンコロジー・プラットフォームは、臨床研究や商用化のための各種承認、最適な治療提供、ヘルスケアコストの削減を実現できるツールだ。ステージの高いがんの再発をより早く発見し、効果的な治療につなげられるリキッドバイオプシーの技術に期待が寄せられる。
    Guardant Health AMEA wins this year's Growth Excellence Leadership Award by Frost & Sullivan

  • ・中国SonoScape社、超音波内視鏡に最新AIテクノロジー搭載
  •  「命をイノベーションで守る」企業として2002年に設立された中国のSonoScape社は、医療用超音波とエンドスコープ(内視鏡)ソリューションを提供する世界トップ10ブランドの1社だ。先日、ドイツで開催された世界最大の医療イベントMedicaで、新製品を発表した。同社が初めて開発したエコーエンドスコープの「EG-UR5」、4-LEDの光とSFI/VISTテクノロジーを搭載した内視鏡「HD550」、そして、新たな超音波システム「P60」だ。

     EG-UR5は、中国製品でEUに初めて承認されたエンドスコープである。SonoScape社の超音波と内視鏡の優れたノウハウを組み合わせ、プレミアムカラードプラ超音波とのペアリングができる。ドプラ超音波技術を使うと、心臓内部の血流を直接観察することが可能になる。EG-UR5は、光の強度をアップグレードし、白色光モードと色素内視鏡モード両方における画像の解像度を向上させることで、質の高い診断を可能にする。P60は、胃腸疾患だけでなく、女性疾患にもAIの活用を広げ、妊娠計画や胎児検診、胸部や骨盤の画像検査などに焦点を当てる。SonoScape社は、シリコンバレーや東京をはじめとする7つのR&D(商品開発)センターで、年間売り上げの18%をR&D活動に再投資し、最先端のテクノロジー開発を行っている。

     Medicaは、世界最大の医療機器の商談会である。5100社を超える出展者が参加し、世界130カ国から12万人を超える専門ビジターが来場する。今年は、軽量ロボットが医師をアシストしながら、侵襲性を最低限に抑え、正確性の高い手術が行われる様子も紹介された。未来のAI医療ソリューションが、目覚ましく進化する。
    Venturing into the future of healthcare with AI - SonoScape at Medica 2019

  • ・「おうちジム」のオンライントレーナーの資格、米国で新設
  •  米International Racquet & Sportsclub協会が発表したデータによると、何百人もの消費者が、従来のスポーツジムへ通うスタイルから、アプリやオンラインを使った「おうちジム」に移行しているそうだ。このトレンドにトレーナーたちも乗り遅れないために、「オンライントレーナー」のための資格が新設された。米Fitness Mentors社CEOのエディ・レスター氏は、「2022年までにデジタル・フィットネス・マーケットは27.4億ドル(約3000億円)に達する見込み。消費者のニーズに応え、スマートデバイス、アプリ、オンデマンドと仮想インターフェイスによって、ますます多くのトレーナーと消費者がクラウドにつながるようになるだろう」と話す。

     新たなオンライントレーナーの資格は、トレーナーが消費者の需要を把握し、いつでもどこでもより効果的なサービスを提供できるようデザインされている。オンラインのパーソナルトレーニングモデルには、様々な種類がある。ソフトウェアやメール、アプリを介した、プライベートなパーソナライズトレーニングモデル、ダウンロードできる定型のトレーニングメニューや動画、オンラインと対面式を組み合わせたハイブリッドトレーニング、ライブストリーミングによるオンラインのパーソナルトレーニング、グループトレーニングの動画など、様々だ。これらのトレーニング法各種を、資格を取得したトレーナーが自由に組み合わせ、カスタマイズすることが可能だ。また、プログラムには12のトレーニングテンプレートがボーナスとして最初から含まれており、トレーナーがすぐにサービス提供を開始できるよう工夫されている。おうちジムの人気が高まるにつれ、トレーナーのビジネススタイルも多様化する。
    Fitness Mentors Creates Certification to Prepare Personal Trainers for Millions of Consumers Using the Internet to Exercise at Home