今年は、クリスマスツリーの装飾にヘルスケアの学びの要素を取り入れてみませんか。米国のGIANTmicrobes社が販売する飾り物をよく見ると、大腸菌やインフルエンザ、心臓、膵臓、脳細胞などにそっくりなゆるキャラたちがクリスマスツリーをカラフルに彩っています。お気に入りのゆるキャラを、個別にぬいぐるみとしてネットで購入することも可能です。同社は、ヘルスケアの教育現場の声を拾い、医療や健康という難しいトピックをもっと身近に感じてもらうため、教材やノベルティーとして使用できるグッズを開発。今年のクリスマスは、ツリーを囲んでみんなで医療系の知識を育み、ウェルネスという一番のプレゼントを実感するのもよいかもしれないですね。


以下では、2019年12月2~6日に海外の企業・大学・研究機関・米食品医薬品局(FDA)等が配信したプレスリリースの中から、編集部がピックアップしたものを【ビジネス】【プロダクト/サービス】【要素技術】に分類しました。各項目をクリックすると、それぞれのプレスリリース(ウェブサイトやPDFなど)に移動します。

【ビジネス】

  • ・細菌や臓器を模したゆるキャラマスコットでクリスマスツリーを飾ろう
  •  クリスマスを健康に過ごしたい全ての人に、米国のGIANTmicrobes社が面白いネタを提供。同社は、本物の微生物やヒトの細胞、臓器、DNA(デオキシリボ核酸)などを模した教育用マスコットを製作・販売しており、今年のクリスマスシーズン向けに、知的好奇心をくすぐるプレゼントグッズのラインアップを用意した。

     いつもの平凡なクリスマスツリーを、今年は同社が販売するインフルエンザや大腸菌、ヘルペス、クラミジア、脳神経を模したゆるキャラデコレーションで飾り、世界中で何百万人もの人に影響を及ぼす感染症について家族で考えるというのは、どうだろうか。また、クリスマスストッキングには、心臓や膵臓などのかわいらしい臓器のぬいぐるみを詰めて、臓器についての解説カードを読みながら科学の神秘について学ぶ楽しい機会を作ってみよう。大昔に大流行した感染症のぬいぐるみを通して、21世紀がいかに安全であるかを改めて実感し、ワクチンの大切さについて考え直すきっかけになるかもしれない。医療に関する知識を深め、家族や友人みんなの健康を考える場を提供することは、クリスマスの本来の趣旨にもぴったり合致するのではなかろうか。

    米GIANTmicrobes社が販売するインフルエンザや大腸菌、ヘルペスなどを模したツリー用飾り(出所:GIANTmicrobes社プレスリリース)

     GIANTmicrobes社は、病気に関する研究や教育のチャリティー活動をサポートしている。ワクチン接種やがん、性感染症、消化器の健康に至るまで、様々なNPO団体に売り上げの一部を寄付している。社長のアンドリュー・クライン氏は、「学校の先生や保護者、医療関係者からよく聞くのは、『面白い』という要素を加えることで子供の学習効果が増大し、健康に対する意識が大きく高まるということ。我々が目指しているのは、チャーミングで笑いを誘う商品づくりを通し、健康に関する意識を向上させることだ」と話す。小さい頃のクリスマスツリーにまつわる温かい思い出の中に、体の臓器や病気、細菌をイメージ化したマスコットと遊んだ記憶が加わることで、より健康と医療を身近に、大切に思う人が増えるかもしれない。エッジの効いた楽しい教育グッズによって、子供たちの間にたくさんの笑いが感染するに違いない。
    A New Spin on Health this Holiday

  • ・魔法のバイオプリンティング、いよいよ臨床試験開始
  •  米コネチカット州に、BioCTという、大小のライフサイエンス企業が集まるビジネスコミュニティーがある。このBioCTのちょっと怪しげなキャンパスの片隅で「ADAMプロジェクト」が立ち上げられた。骨プリンティング技術を用い、3Dプリンターで移植用の人工骨の試作品を作り、その安全性と機能性を従来の骨移植と比較する取り組みだ。今回試作品は2つ製作された。一つはセラミック、そしてもう一つはポリマー製。市販の3Dプリンターと同じくらい簡単に作れたという。

     長年、3Dプリンティングで作る移植用臓器や骨(バイオプリンティング)は、「魔法の弾丸」と呼ばれてきた。魔法なだけになかなか実現化されず、バイオプリンティングがうたわれるようになってから20年近くたつ今も、医療機関で行われる移植の手法は変わっていない。バイオプリンティングで人工骨を作ることは、人工の臓器や生体組織を作るよりもずっと簡単であるという。しかし、骨を作製するための最適な素材を見つけることは非常に難しいため、大量生産に至るまでの道のりは険しい。

     ADAMプロジェクトでは、生体吸収性の高い素材を使用。国の承認が下りれば、認証された医療クリニックで、人工骨を1日足らずで作成できる。米国では10分に1人の割合で移植希望者がウェイティングリストに追加されており、バイオプリンティング技術が確立すれば、再生医学を大きく前進させ、多くの人の命を救うことができる。現段階では、ADAMプロジェクトは特にがん患者用の人工骨移植に焦点を当てているが、今後ポリマー素材を使用し、心臓弁や血管のプリンティングにも可能性を広げようとしている。コネチカット大学教授のケート・ローレンシン氏は「乳がん、前立腺がん、肺がん、甲状腺がん、腎臓がんの腫瘍は骨に転移するケースが多く、骨移植を行うことで、がん患者に効果の高い低侵襲性治療を提供できる。ADAMプロジェクトが開発した独自の素材は、患者との生体適合性が高いため、現行の移植手法よりも治療効果を上げることができると期待されている」と語る。ADAMプロジェクトの人工骨を使った人への臨床試験は、2019年末にいよいよ開始する。
    Graftless Bone Transplants Soon to Be Reality: ADAM Takes 3D Bones to Clinical Trials

  • ・血液データを精密に遠隔モニタリング、「ポケットラボ」テクノロジー
  •  スイスのForacare Suisse AG社が、新たな「ポケットラボ」テクノロジーを使った「FOR A 6GTelマルチ機能型モニタリングデバイス」の販売を開始した。この新デバイスは、なんと6つのモニタリング機能を持ち、血糖値、ヘマトクリット値、ヘモグロビン値、βケトン、コレステロール値、尿酸値レベルを、それぞれ3G/4Gでシームレスにデータ通信できる。CEOのタイミン・タン氏は「ヘルスケア市場に、シンプルで洗練されたイノベーションを起こすことができ、満足している。重要なバイタルデータをタイムリーに、手軽に医療機関に送信することで、しっかりと患者と医師のニーズに応えたい」と語る。

     FORA 6 GTelは、SIMカード経由で自動的に検査結果をアップロードし、データを直接Telehealthシステムと医療機関へ送信する。スマホを使う手間を省き、より早くシンプルなデータ通信を実現することで、患者のモニタリングを快適にする。

     さらに、モニタリングデバイスを使い、患者と医師が双方向にメッセージを送り合うこともできる。ユーザーインターフェイスには使いやすい、フルカラータッチスクリーンを採用。患者のコンプライアンスをサポートする機能や、頼れる音声ガイダンス機能が搭載され、10個の異なるタイプのリマインダーを医療機関から患者へ送ることもできる。患者がサービスボタンをプッシュすると、医療機関からサポートを受けることもできる。同社が開発した尿検査紙は特許を取得しており、今回のFORA 6シリーズのマルチ機能型モニタリングデバイスと組み合わせ、糖尿病患者により精密で快適なケアを提供する。
    ForaCare Suisse AG Launches "Lab in the Pocket" Technology

  • ・世界最小の医療ウェアラブルセンサーとソリューション開発キット
  •  コネクテッド・ヘルスケア・ソリューションのリーダー企業である米VivaLink社のマルチバイタル医療用ウェアラブルセンサーとソフトウェア開発キットが、医療機器のCEマーク(EUの基準に適合していることを表示するマーク)を取得した。ウェアラブルセンサーは市場にはたくさん出回っており、さほど珍しくないのではないかと思われるかもしれないが、VivaLink社の製品は次に挙げる三つの点がすごいのだ。

     一つめは、このセンサーが世界最軽量のたった7.5gのリユーザブルパッチを使用。形は、小さな絆創膏に似ており、使いやすい設計であること。ニつめは、何度でも貼ったり剥がしたりできるこのリユーザブルパッチは、使い捨てのパッチに比べ、10倍以上の費用対効果が実現できること。三つめは、ウェアラブルセンサーとソフトウェア開発キットをセットで提供しているため、開発者はハードウェアやソフトウェアの専門知識がなくとも、さくさくと医療用ウェアラブルソリューションを構築できることだ。

     この新たなマルチバイタル・ウェアラブルセンサーは、心電図(ECG)、呼吸数、心拍数、RR間隔(心拍数の変動)、3軸加速度(上下、左右、前後の3方向の加速度)を継続的に測定することが可能。入院中の患者にも、遠隔モニタリングにも対応できる。VivaLink社CEOのジアン・リー氏は、「今回のCEマークの取得は、市場に先進的なモニタリングソリューションを導入するための大きなマイルストーンだ。我々の医療用センサープラットフォームから、どんどん新たなソリューションが飛び出し、世界中の患者に届けられるようにしたい」と語る。

     マルチバイタルセンサーとソフトウェア開発キットは、センサーハードウェア、遠隔地のデータ、クラウドコネクティビティーをアプリケーションと分け、開発者が特定のドメインで使用するアルゴリズムとアナリティクスに焦点を当てられるよう設計されている。VivaLink社のプラットフォームが今後、化学療法遠隔患者モニタリング、臨床試験遠隔患者モニタリング、不整脈や感染症、高血圧、心不全など様々な疾患の遠隔モニタリングに広がることが期待される。
    World's Smallest Reusable Multi-Vital Wearable Sensor and Software Development Kit Receive Class IIa Medical Device CE Mark