ヘルスケア業界におけるIoT市場、年平均成長率27.6%

【要素技術】

  • ・ストレスなく生きるためのバイブル
  •  米国では成人のおよそ半分(46.4%)が生きている間に何らかの精神疾患を一度は患うといわれる。この衝撃的事実の原因とされるのが、ストレスである。ストレスを避けて生きることは、もはや不可能なのか。メンタルセラピストのマリリン・グアダグニノ氏が出した著書『The Living Stress-Free Bible: 20 Techniques to Make Your Life Less Stressful(ストレスなく生きるためのバイブル:人生のストレスをなくすための20の方法)』の中で次のように述べている。

     「私たちは人生を体験しているのではない。人生に関する思考を体験しているのだ。脳は、過去の出来事をベースに、絶えず思考している。脳は、機械的に処理を行うメモリーにすぎない。私たちは、脳が作り出した思考をあたかも現実であるかのように認識し、そこからアイデアや信念を創出し、自分の意見が現実であり、正しいと判断している。多くの人が、このプロセスの中で人生を過ごしている」

     精神疾患には、うつ病、不安症、パニック発作、恐怖症、脅迫観念、幻覚、パラノイア、激昂など多くの症状があり、私たちのすぐ身近にもこれらの疾患を抱える人がいる。著者は、思考や感情によって患者の行動が変わることを、何十年にもわたるセラピー経験の中で学び、精神病患者の治療に瞑想や音楽、音を取り入れながら体と心のバランスを保つ方法を見いだした。著者の夫のルー・グアダグニノ氏は子供の頃に受けたPTSD(心的外傷後ストレス障害)で長年苦しみ、13歳から瞑想治療を始め、体と心に根強く残るネガティブな思考と感情との向き合い方を変えることで、症状を軽減することができた。マリリンのセラピストとしての経験とルーの治療体験は合致しており、今回それぞれの知見を基に、この「自分を助けるためのバイブル」が出版された運びだ。精神疾患にかかる前の全ての人向けに、ストレスを簡単になくすことができる方法が分かりやすく、具体的に書かれている本書を読めば、新年から私たちを待ち受ける様々なストレスに打ち勝つことができるかもしれない。
    30 Years Diving into Mindfulness, Music Therapy, and Meditation: Secular Author Swims to Shore with The Living Stress Free Bible

  • ・オメガ3系脂肪酸サプリ、世界的に売れ行き好調の見通し
  •  イワシやサバ、サンマなどの青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸を摂取すると、不安症状が軽減することは医学的に実証されている。不安は最も一般的に見られる精神症状であり、QOL(生活の質)や社会機能を低下させる要因となる。不安症の治療には一般的に薬物や認知行動療法が用いられるが、前者は副作用が懸念され、後者は治療にかかる時間や費用、治療者不足などの課題が残る。不安を和らげるための科学的根拠に基づく安全でシンプルな対策が求められており、オメガ3系脂肪酸がまさにその回答として期待されている。

     ResearchAndMarkets社の報告によると、オメガ3の市場規模は2019年の41億ドル(約4431億円)から2025年には85億ドル(約9190億円)に成長すると予測され、年平均成長率は13.1%とみられている。オメガ3を含有する食品は多く存在するものの、それだけでは人が1日に必要とする量には満たないため、サプリメントの販売が拡大している。オメガ3脂肪酸の一種であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は炎症や動脈硬化を抑制する作用があるが、体内では作ることがほとんどできないため、食品やサプリから摂取するしかない。

     DHAは、幼少期の脳の発達と成長に重要な役割を示すばかりでなく、成人の脳の正常な機能を保つためにも重要だとして、近年消費者の間で注目が集まっている。オメガ3の市場には各国から著名な企業が参入しており、ノルウェーのEpax社、チリのGolden Omega社、中国のKinomega社、フランスのPolaris社、ドイツのBASF社、スイスのLonza社、スペインのBiosearch life社など、グローバルに需要が高まっている。KD Pharma社はオメガ3に他の栄養成分を加えて心臓や骨の健康増進効果を狙う製品を開発、Eepax社は製造過程でEPAやDHAを酸化させない工夫を加え、Polaris社が藻類に含まれるオメガ3を使い感覚刺激特性を活用するなど、競争が高まる中、各社それぞれ製品の効果や生産過程に趣向を凝らし、差別化を狙う。
    Global Omega-3 Market Set to Reach $8.5 Billion by 2025 - Marine Source of Omega-3 is the Highly Preferred Source for Infant Nutrition

  • ・ヘルスケア業界におけるIoT市場、年平均成長率27.6%
  •  グルーバル市場を調査する米ResearchAndMarkets社が、「2019年~2024年の世界のヘルスケア業界におけるIoT動向」に関する報告書を発表した。報告によると、今後ヘルスケアは医療者が患者へ提供するという図式から、患者が自分でeHealthプラットフォームを活用する方向へシフトするとみられている。

     ヘルスケア業界におけるIoT(モノのインターネット)市場の規模は2019年には555億ドル(5兆9984億円)であったが、2024年には1880億ドル(20兆3190億円)、年平均成長率27.6%の高水準で拡大する見込みだ。健康の自己管理ができるサービスのニーズは増えており、それに応えるテクノロジーの高度化、様々なデバイスへの接続性の拡大、ヘルスケアエコシステム全体における技術革新が成長を引っ張る。成長を阻害する要因としては、デジタル技術に精通した人材の不足、要配慮個人情報のセキュリティー問題が挙げられる。

     分野別に見ると、医療機器、システム、ソフトウェア、サービス、接続技術に分かれており、特にシステムとソフトウェアの分野が急成長する見込みだ。ヘルスケアIoTには様々な異なるデバイス同士の互換性と、大量の医療データのセキュリティーとプライバシー保護に対応する精密なデザインが求められる。地域別に見ると、アジア太平洋地域における成長率が最も高くなると予測されている。

     ヘルスケアIoTソリューションとサービスを提供するキープレイヤーとして、米Agamatrix社、米Armis社、ポーランドのComarch SA社、米Cisco Systems社、米GEヘルスケア社、米IBM社、アイルランドMedtronic社、オランダのRoyal Philips社、英Telit社などが挙げられる。報告書には各企業のプロフィール、製品紹介、戦略などの情報が掲載されている。急拡大が約束されているヘルスケアIoT動向から、今年も目が離せない。
    IoT in the Worldwide Healthcare Industry, 2019-2024 - Low Doctor-to-Patient Ratio Leading to Increased Dependency on Self-Operated eHealth Platforms

(タイトル部のImage:Photobank -stock.adobe.com)