医療機器系スタートアップの日本医療機器開発機構(JOMDD)は、国際医療福祉大学および東京大学と自動精子選別装置の開発に関する共同研究契約を締結した。精子細胞の運動性や形態の判別に加え、良好と判断された精子細胞の選別までの自動化を目的とした共同研究である。精子の自動検知・運動性/形態解析が可能なプログラムと、精子細胞の選別装置の開発に取り組んでいくという。

AIによる精子選別のイメージ(出所:JOMDD、以下同)

 プログラムについては、熟練の胚培養士が判定した良好な精子像をディープラーニングによって機械学習させることでアルゴリズムを構築。精子細胞の検出、および当該精子細胞の運動性/形態パラメータを自動で迅速に提供する機能を搭載し、胚培養士の判断を支援していく。

 共同研究を行うのは、国際医療福祉大学 医学部産婦人科学 教授で、高度生殖医療リサーチセンター長の河村和弘氏、東京大学 大学院情報理工学系研究科 講師の池内真志氏、およびJOMDDの三者。

国際医療福祉大学の河村氏
東京大学の池内氏

 不妊の原因の約40~50%は男性側にも要因があることが過去の研究で報告されている。無精子症や乏精子症、精子無力症などの造精機能障害を持つ男性不妊に対して、運動性や形態が良好な精子の選別に対する重要性が一層高まっている。従来、精子の選別は胚培養士による目視と手作業で行われており、胚培養士の知識や経験に依存している部分が大きく、胚培養士による選別精度のばらつきが懸念されていた。

 胚培養士による従来の手法では、技術習得の難しさや手技にかかる時間も課題だった。顕微授精の手技件数の増加を受け、作業に伴う胚培養士への負担も増大しており、医療施設では胚培養士の人材不足も指摘されている。三者の共同研究は、こうした課題を解決できるものとして期待される。


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