ヘルスケアスタートアップ企業、ヘカバイオデジタルヘルス(東京都中央区、代表取締役:ヨアブ・ケイダー氏)が7月3日にメディア向けウェブセミナーを開き、医療機関で行われる検査を在宅でも可能にするオンライン診療用プラットフォーム「メディゲート」β版の開発を完了し、来年の発売を目指し都内の医療機関で検証を開始すると発表した。

ヘカバイオデジタルヘルス代表取締役のヨアブ・ケイダー氏(写真:ヘカバイオデジタルヘルス)

 ヘカバイオデジタルヘルスは、医療機器や再生医療等製品の開発などを手がけるバイオ企業ヘカバイオのCEOロバート・クレア氏とヨアブ・ケイダー氏が昨年2月に設立。医師による在宅患者の検査、オンライン診療・処方を可能にする医療機器および電子プラットフォームサービスの提供を事業の柱とする。同社代表取締役のヨアブ・ケイダー氏は、20年以上にわたりイスラエルの遠隔医療に関する技術を日本の投資家へ紹介するなど両国の橋渡し役を務めてきたという。

 ケイダー氏は「遠隔医療、オンライン医療検査は世界では既に医療システムの一環となっている。例えば、イスラエルでは既に国民の20%が遠隔医療、オンライン医療検査を利用している。その理由として、民間機関や公的保険組織が一緒になって、費用対効果が高く患者にも利便性などのメリットがある医療サービスを提供して保険医療を維持しようというインセンティブがあるからだ」と説明。日本ではそうした組織がなく、保険診療は政府の規制の下にあるため、優れた技術系企業がありながら、新しい製品やアイデアを投入するインセンティブが働かずマーケットも存在しなかったとし、「新型コロナウイルスがこの状況を大きく変えようとしており、マーケットは新しいコンセプトを受け入れる体制が整ってきた。だからこそいま、私たちの技術とアイデアを提供しようと考えた」と、今回の製品発表に至った経緯を語った。

 ヘカバイオデジタルヘルスが日本市場に投入しようとしているオンライン診療用プラットフォーム「メディゲート」β版は、在宅での尿検査や聴診をはじめとする一般検査を可能にする患者用アプリと、検査結果を主治医が確認し所見をテレビ電話で伝達できる医師用ポータルサイトからなる(図1)。同社ビジネスディベロップメントマネージャーの小谷野祥浩氏は「現状のオンライン診療で欠けているのが、医療検査。オンライン診療において検査も行えるようにすることで初めて通院時と同等の診断・治療が在宅で可能になると考え、私たちはこれを保険診療に対応する形で提供していきたい」と説明した。

図1●ホームケアデバイスを用いた在宅での一般検査のイメージ(出所:ヘカバイオデジタルヘルスメディア向けWEBセミナー講演資料、写真1も)