「AI問診ユビー」などを手掛けるスタートアップのUbieは、シンガポール法人を設立した。グローバル進出の皮切りと位置付ける。

 同社は既に2018年にインドで生活者向け問診Webサービス「Dr.Ubie」をテストローンチ。海外市場における可能性を模索してきた(関連記事:世界を目指すヘルスケアスタートアップが黎明期にやったこと)。ただし、そこで大きな可能性を感じたものの、国内事業へのリソース集中やサービスレベルの向上の必要性から、約半年でテストマーケティングを中断したという。

 その後、国内では医療機関向けサービス「AI問診ユビー」が200を超える医療機関で導入。さらに2020年4月には生活者向けサービス「AI受診相談ユビー」をローンチした(関連記事:生活者と医療機関をつなげ! 新型コロナで変わる受診形態にAIを)。多数のユーザーの利用で蓄積されたデータにより機械学習の精度が向上し、海外での実用にも耐えうるサービスレベルに達してきたと判断したことで本格的なグローバル進出に踏み出した。

(出所:Ubie)

 シンガポールでは、実証実験とサービス開発を展開。現地2カ所のクリニックで、来院前・来院後2パターンにおける同社サービスの導入効果を検証する。2021年前半には、商品化が可能なサービスとして完成を目指すとしている。

 シンガポールでは死因の約74%を非感染性疾患(NCDs)が占め、高血圧や糖尿病といった慢性疾患の有病率も年々上昇しているという。65歳以上の高齢者比率も上昇の一途をたどっており、2030年には現在の日本と同水準の25%近くに達する見込みとされている。

 なお今回、同社がシンガポールでサービス展開を進めるに当たり、「日ASEANにおけるアジアDX促進事業」に採択された。令和元年度補正予算において措置された経済産業省からの拠出金に基づき、日本貿易振興機構(JETRO)が実施する事業である。ここで明らかになった成果・課題は、日本がASEANにおける新産業分野のルール形成を先導するための産業界の声として、ASEAN側への提言などに活用される予定だという。


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