ポーラ・オルビスホールディングスの社内ベンチャー制度によって設立されたencycloは、下肢リンパ浮腫に向けた医療用弾性ストッキングを2020年12月12日に発売する。同年5月に設立した同社の第1弾プロジェクトだという。

発売する医療用ストッキング「MAEÉ」(出所:encyclo、以下同)

 リンパ浮腫は、がんの手術や治療の影響などでリンパ液の流れが悪くなりむくんでしまう状態。主に婦人科系がんや乳がんの後遺症として発症する。治療には弾性ストッキングでの圧迫が欠かせず、外出時も含めて身に着けなくてはならないことが多いため、機能性に加えて、履き心地やファッション性などが求められていたという。

 発売するストッキングは、リンパ液の通る鼠径部に食い込みにくい、斜めの切替えパターンを採用。術後の傷口にあたらないよう、腹部センターには縫い目をなくし、お腹のむくみをケアするソフトな着圧効果を持たせた。

 さらに、ポーラが有する肌色測定技術と1870万件を超える肌データに基づき、日本人女性に合うベージュ色を開発した。着圧力の高い「太く強い糸」と、透明感を演出する「クリアで細い糸」で、着圧機能は保ちつつ、素肌感のある薄さと透明感を実現したという。

 圧迫力は31~43hPa。医療用弾性ストッキングのトップメーカーであるメルツ社の特殊編機を使用し、部位ごとに細かく設定した着圧値を精緻に実現したとしている。

encyclo 代表取締役社長の水田悠子氏

 encyclo 代表取締役社長の水田悠子氏は、ポーラで働いていた29歳の時に子宮頸がんに罹患。後遺症のリンパ浮腫との付き合いが始まったという。毎日弾性ストッキングを履く必要がある中で、「治療に必要な機能を満たすものは分厚く見た目が不自然なものが多く、履きたいと思える商品を見つけることができなかった」ことが、今回の開発につながった。


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