不健康な食習慣の該当数と、肥満リスクとの有意な正の関連が報告された。間食、早食い、就寝間近の食事という3つの習慣のうち、あてはまる数が多い人ほど肥満や腹部肥満の人が多いという。久山町研究のデータを、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の吉田大悟氏らが解析した結果であり、詳細は「Nutrients」に10月16日掲載された。

 不健康な食習慣が肥満を招きやすいことは、一般的な情報として社会に定着している。しかし、そのような食習慣が積み重なった場合に、肥満のリスクがより高くなるのかどうかは明確でない。そこで吉田氏らは、数々の重要なエビデンスを発信し続けている疫学研究「久山町研究」のデータを用いて、その関連を明らかにすることを試みた。

 解析対象者は、2014年に住民健診を受診した40~74歳の福岡県久山町の地域住民1,906人(男性43.8%)。管理栄養士のインタビューにより、「間食をするか」、「他人よりも食べるのが速いか」、「就寝前2時間以内に食事をするか」という3つの食習慣を把握。その食習慣の有無や該当数と、肥満(BMI25kg/m2以上)および腹部肥満(腹囲長が男性90cm以上、女性80cm以上)との関連を検討した。解析対象者における肥満の有病率は26.4%、腹部肥満の有病率は45.1%だった。

 対象者全体を前記の不健康な3つの食習慣の有無で二分して、その背景を比較すると、以下のような有意な違いが見られた。まず、間食の習慣がある群はない群に比べ、女性の割合が高く、喫煙者、飲酒習慣のある人、就業者、独居者の割合は低かった。早食いの習慣がある群はない群より若年だった。就寝間近に食事をする習慣がある群はない群に比べ、若年で、喫煙者、飲酒習慣のある人、就業者、独居者の割合が高く、女性の割合は低かった。

 次に、肥満に影響し得る因子(年齢、性別、喫煙・飲酒・運動習慣、婚姻状況、同居者の有無、就業の有無)で調整の上、3つの不健康な食習慣の有無別に、肥満・腹部肥満の頻度を比較した。すると、すべての食習慣について、有する群は有さない群よりも、肥満・腹部肥満の頻度が有意に高いことが明らかになった。

 続いて、これら3つの食習慣が該当する数と肥満・腹部肥満の関連を、上記の因子で調整した上で検討。該当する食習慣が1つもない場合に比べ、1つ該当する場合は肥満のオッズ比(OR)が1.53(95%信頼区間1.11~2.12)、2つでは2.62(1.89~3.63)、3つでは3.65(2.36~5.63)と、該当数が多いほど肥満を有するリスクが高まることが明らかとなった。腹部肥満の検討でも1つでは1.53(1.16~2.01)、2つでは2.28(1.71~3.05)、3つでは2.87(1.89~4.36)と同様の結果であった(肥満・腹部肥満のいずれも傾向性P値<0.001)。

 対象者の背景因子ごとに層別化したサブグループ解析から、肥満に関しては、若年層(59歳以下)、男性、運動習慣のない人、就業者において、不健康な食習慣の該当数が増えることの影響がより大きいことが分かった。また、腹部肥満に関しては、若年者、男性、就業者において、該当数が増えることの影響がより大きかった。

 これらの結果から著者らは、「日本の地域一般住民において、不健康な食習慣の数と、肥満および腹部肥満のリスクとの用量反応関係が明らかになった。不健康な食習慣を1つずつ修正し、それらの蓄積を回避することで、肥満・腹部肥満のリスクを軽減できる可能性がある」と述べている。なお、本研究が横断的な研究であることから、「不健康な食生活の蓄積と肥満・腹部肥満発症リスクの因果関係については、縦断的研究による確認が必要」としている。

[HealthDay News 2020年11月30日]

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(タイトル部のImage:f11photo -stock.adobe.com)