アボットジャパンは、スマートフォンでスキャンすることで日常の糖尿病管理ができるアプリ「FreeStyle リブレLink」の提供を2021年2月10日に開始した。上腕に貼ったセンサーをスマートフォンでスキャンすることで、現在のグルコース値や直近8時間の血糖変動(血糖トレンド)がスマートフォンに表示される。アプリは、無料でダウンロード可能である。

外出先でのさりげない血糖測定も(出所:アボットジャパンのプレスリリース)

 日本では、血糖自己測定(SMBG)が広く使われているが、指先穿刺を伴い、測定時の血糖値をピンポイントで把握することしかできない課題がある。加えて、SMBGはいくつかの器材と採血による血液が必要となるため、測定に数分の時間が必要だ。2020年にアボットが実施した調査によれば、インスリン治療を行う糖尿病患者の8割以上が外出先での血糖自己測定を負担に感じており、約8割が測定時に人目を気にしていることが明らかになったという。

 今回のアプリでは、専用のリーダーを使わず、互換性のあるスマートフォンによる約1秒のスキャンで血糖測定が可能になる。これにより、血糖測定の頻度が高まり、生活の質の向上に貢献することが期待されるとしている。なお、上腕に貼るセンサー(FreeStyleリブレ)は、1型・2型などの病型を問わずインスリン療法を施行中の患者に保険適用されている。

 様々な血糖データを、血糖トレンドや変動パターンといった形で見える化できる。具体的には、現在のグルコース値、血糖の変動傾向を示す矢印、最長8時間の血糖トレンド、最大90日分のデータによる血糖変動の傾向をグラフ化したAGP(Ambulatory Glucose Profile)、目標グルコース値の範囲内時間、といった豊富なデータにより、患者は自身の血糖管理状況を把握できる。

左が上腕に着けるセンサー(出所:アボットジャパンのプレスリリース)

 アプリに保存される最長90日間のデータは、クラウドベースの糖尿病管理システムであるリブレViewと連携した場合、自動的にアップロードされ、医師と共有することが可能。指先穿刺によって得られる測定時のピンポイントでの値と比べ、詳細な血糖データや過去の履歴、傾向など豊富な情報が得られ、オンライン診療においても役立つとしている。

 京都府立医科大学 大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学 教授の福井道明氏は次のように述べている。「より良い糖尿病管理において、糖尿病患者さんが自身の血糖状況を把握し、管理することは非常に重要です。特に現在の新型コロナウイルス感染症流行下においては、自身の血糖状況に応じた自己管理が大切になります。FreeStyleリブレLinkによって、患者さんはより手軽に、少ない負担でグルコースデータを読み取ることが可能となり、より頻繁なグルコース値の確認や自身の血糖トレンドの深い理解につながることが期待されます。患者さんの意識および行動変容は、より良い糖尿病管理だけでなく、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク軽減においても非常に重要です」。


(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)