横浜国立大学と横浜市立大学の研究グループは、「経皮ビリルビン値」「SpO2」「脈拍」が同時計測できる新生児向けウエアラブルデバイスを開発した。大きさは縦3cm×横5cmで、重さは16g。基板の周囲は柔らかいシリコーンゴムを主材としており、デバイスを装着する額との密着性を高めた。

デバイスを装着した新生児(出所:プレスリリース)
デバイスを装着した新生児(出所:プレスリリース)
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 新生児は出生により胎内から体外へ環境が変化することで、臓器をはじめとした体内環境が不安定になる。このため、経時的なバイタルサインの計測が必要だ。特に重要な指標の一つが、経皮ビリルビン値だという。

 経皮ビリルビン値が高くなると黄疸が発症する。新生児黄疸は新生児の6~8割で発症し、重症な場合は脳機能障害などの重篤な後遺症につながる。黄疸を発症しやすい黄色人種の世界的な進出とともに、経皮ビリルビン値計測に関する需要は世界的に高まっているという。

 デバイスは、フレキシブルな基板上に青・緑・赤・赤外LED、フォトダイオード、プロセッシング回路、Bluetoothモジュールを搭載。透明な柔らかいレンズをLED上に形成することで新生児の皮膚に計測光を効率的に入射できるようにした。

開発した新生児用ウエアラブルデバイス(出所:プレスリリース)
開発した新生児用ウエアラブルデバイス(出所:プレスリリース)
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 額から計測したバイタルサインは、Bluetoothを介してパソコン及びスマートデバイスで同時かつ経時的に確認できる。経時的計測の実現により経皮ビリルビン値の急激な変化を捉えることができるため、採血による治療判断が速やかに行えるようになるとする。また、ビリルビン値が高い新生児の一般的な治療法の一つである光療法中の経皮ビリルビン値の計測も可能としている。

 今後は、心電や呼吸など他のバイタルサインの計測と連動して、新生児の様々なバイタルサインを包括的に計測できるウエアラブルデバイスを開発するという。


(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)