大成建設と国立国際医療研究センター(NCGM)は、「集中治療室向け医療機器遠隔操作ロボット」を開発した。集中治療室で新型コロナウイルス感染症患者の治療にあたっている医療従事者の労働環境を改善するためのロボットである。

医療機器遠隔操作ロボットの機器構成。左は操作側、右は遠隔側(出所:プレスリリース)

 今回のロボットは、大成建設がこれまで工場などの生産施設向けに開発を進めてきた「力触覚伝達型遠隔操作システム」の技術を応用した。医療従事者が集中治療室に入室することなく、非接触エリアから医療機器を遠隔操作できるのが特徴だ。第1弾として、最も頻繁に操作が必要な医療機器であるシリンジポンプを対象に、遠隔操作による実証と効果の検証を行った。NCGMセンター病院において非接触エリアから医療機器を遠隔操作し、本ロボットの操作状況や性能を検証した結果、医療従事者の感染リスクの低減を確認したという。

医療従事者によるロボット操作状況(出所:プレスリリース)

 新型コロナウイルス感染症の重症患者が入院する集中治療室では、感染防止の観点から、医療従事者が機器の簡易操作のたびにガウンやマスクなどの防護服を装着して集中治療室へ入室する必要がある。例えば、点滴静脈注射による薬液投与の流量速度を機械的に調整するシリンジポンプの場合、簡易なボタン操作が多く、そのたびに防護服などを装着し、入室する必要がある。このため、防護服の着脱不備による感染リスクや防護服の使い捨てによるコスト増大が課題となっていた。

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