慶応義塾大学医学部発のスタートアップであるグレースイメージングは、このほど約2億円の調達を発表した。「乳酸」を測る医療機器の社会実装に向けた動きを加速する。

 グレースイメージングは、汗中の乳酸濃度を計測できるデバイスをコアとするハードウエア系スタートアップ。起業したのは整形外科医でもある中島大輔氏。慶応義塾大学医学部が主催する「第4回 健康医療ベンチャー大賞」(2019年12月開催)の社会人部門で優勝を勝ち取った。数年後に医療機器としての実用化を目指している(関連記事:「乳酸」を測る医療機器を、整形外科医発スタートアップの挑戦)。

グレースイメージングの中島氏(写真:川島 彩水)

 今回、慶応イノベーション・イニシアティブ、QBキャピタル、三菱UFJキャピタルを引受先とする資金調達を実施した。東京都補助事業による支援金と合わせた4億円の資金を活用し、開発するデバイスの実用化を急ぐ

汗乳酸センサーの使用イメージ。デバイスは開発中であり、未承認の製品となる(出所:プレスリリース)

 グレースイメージングが開発を進めているのは、血液中ではなく汗中の乳酸濃度を測定し、可視化できるウエアラブルデバイス。昨今、心不全患者の再入院率を低下させる方法として、心臓リハビリテーションが推奨されているが、心臓リハビリテーションでは最適な運動負荷量を計測するために心肺運動負荷検査(CPX検査)を行う必要がある。しかし既存のCPX検査はコスト面やスペースなどの制約から普及は限定的となっており、心臓リハビリテーションの普及も進んでいない。

 開発中のデバイスでは、簡便かつ連続的に運動負荷量や有酸素運動から無酸素運動への変化を可視化することで、既存のCPX検査の課題を克服し、心臓リハビリテーションの普及に寄与することが期待されている。今回の資金調達により、周辺機器を含めたデバイスの医療機器承認取得に向けた開発を加速するとともに、将来的にはスポーツ分野や健康管理等への応用も目指し開発を進めていくとしている。


(タイトル部のImage:f11photo -stock.adobe.com)