BMIが最も高くなった時の値「生涯最大BMI」が、50歳未満で血液透析が必要となることの独立したリスク因子であるとする研究結果が、「Obesity Facts」に8月13日掲載された。東邦大学医療センター佐倉病院内科の永山大二氏らの研究によるもの。糖尿病の有無にかかわらず、生涯最大BMIは早期血液透析導入のリスクと関連しているという。

 この研究は、千葉県内の2カ所の血液透析センターで実施された。2010年6月~2016年5月に透析導入された患者のうち、研究参加に同意した724人を解析対象とした。全員が日本人で平均年齢は65.2±13.2歳、男性が72.2%であり、透析導入の原疾患は糖尿病性腎症48.2%、慢性糸球体腎炎18.7%、腎硬化症14.0%などだった。生涯最大BMIは28.0±5.2kg/m2で、35kg/m2以上だった患者も9.5%存在した。なお、透析導入時のBMIは22.8±3.9kg/m2だった。

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 生涯最大BMIの三分位で3群に群分けすると、最大三分位群(BMI29.8kg/m2以上)は最小三分位群(同25.3kg/m2以下)に比較して、透析導入時の年齢が若く、糖尿病や睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)、増殖糖尿病網膜症の有病率が高く、冠動脈血行再建術の既往者が多いという有意差があった。また、生涯最大BMIが高いほど透析導入年齢が若いという負の相関が認められた(R=-0.260、P<0.0001)。

 50歳未満で透析導入に至った患者を「早期透析導入」と定義すると、145人(20.2%)が該当した。早期透析導入群は50歳以降の透析導入群に比較して、男性が多く(82.1対69.8%)、SASの有病率が高く(9.0対4.3%)、生涯最大BMIが高い(30.6±6.4対27.3±4.6kg/m2)という有意差が認められた。一方、脳卒中の既往者は50歳以降で透析導入された群の方が多かった。

 ROC解析により、早期透析導入を予測する生涯最大BMIのカットオフ値は28.4kg/m2(感度63.4%、特異度62.5%)であり、その予測能はAUC0.653(95%信頼区間0.599~0.708)と計算された。

 早期透析導入群と50歳以降での透析導入群との間に有意差が見られた前記の項目を共変量として、さらにROC解析で得られた生涯最大BMI28.4kg/m2というカットオフ値、および肥満手術の適応とされるBMI35kg/m2以上の生涯最大BMIを追加してロジスティック回帰分析を行ったところ、男性、生涯最大BMI28.4kg/m2あるいは35kg/m2以上、および、脳卒中の既往が早期透析導入に独立して関連する因子として抽出された。具体的には、男性はオッズ比(OR)1.94~2.00であり、生涯最大BMI28.4kg/m2以上はOR2.57、35kg/m2以上はOR4.98と有意な寄与を認めた。脳卒中の既往はOR0.378~0.383であり負の関連因子だった。

 著者らは本研究を、「日本人の生涯最大BMIと血液透析導入年齢との関連を示した初の研究」と位置付け、高血圧や脂質異常症などを考慮していないことや横断的デザインであることなどの限界点はあるものの、「生涯最大BMIが糖尿病の有無にかかわりなく、早期に血液透析が必要となるリスクに関連していることが明らかになった」と結論付けている。また既報研究から、肥満患者の減量が腎機能改善に寄与することが示されていることを考慮し、「若年で肥満の慢性腎臓病患者の減量は、透析導入リスクの抑制に有効であると考えられる」と考察している。

[HealthDay News 2021年10月11日]

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