神戸市は、ひきこもり当事者が自宅など分身ロボットを遠隔操作して、支援施設の参加者らと交流できるようにするという事業を12月に開始した。「居場所」と呼ばれる支援施設の雰囲気を知ってもらい、いずれは支援施設に来てもらうなど、社会参加への第一歩を後押しする狙いがある。

 使用する分身ロボットは、オリィ研究所が開発したOriHime(オリヒメ)。分身ロボットとは、パソコンやスマートフォンからネットを介してロボットを操作することで、自宅などの遠隔地からロボットが置いてある場所にいる人たちとロボットを介してコミュニケーションが取れるというものだ。

事業イメージ。図中のロボットの写真が分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」(資料:神戸市)
事業イメージ。図中のロボットの写真が分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」(資料:神戸市)
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 神戸市では、ひきこもり、精神・発達障害を対象とした「居場所」を、社会福祉協議会や地域活動支援センターなど13カ所に設けている。OriHimeはこうした「居場所」の1つである地域活動支援センター「パッソ」にまずは1台を導入した。これにより、その場に直接行くことに戸惑いのある当事者は、自宅などからOriHimeを操作することでパッソでの活動に参加できる。このときに安心して参加できるよう、養成講座を受講したひきこもりサポーターが、ロボットの操作説明などについて支援する体制となっている。

 12月7日時点でまだ利用者はいないが、10人の引きこもり当事者が利用を希望している。神戸市の担当者によると、自治体がOriHimeをひきこもり支援に活用するのは全国初だという。

(タイトル部のImage:f11photo -stock.adobe.com)


出典:「新・公民連携最前線」2021年12月8日付の記事より