フィリップス・ジャパンと医療法人慈公会 公平病院(埼玉県戸田市)は、ヘルスケアモビリティを共同で開発、2022年2月に運用を開始した。慢性疾患患者や移動制限のある高齢者に対する長期的かつ定期的な疾患管理に向けたもの。

開発したヘルスケアモビリティ(出所:プレスリリース、以下同)
開発したヘルスケアモビリティ(出所:プレスリリース、以下同)
[画像のクリックで別ページへ]

 フィリップスはかねてヘルスケアモビリティ事業を進めており、2019年に長野県伊那市と協業(関連記事:いざ出発! ヘルスケアモビリティ)。2020年には青森県青森市と連携した取り組みを進めてきた(関連記事:“偶然の出合い”をモビリティで演出、無関心層へのリーチ目指す)。今回は、病院所有の車であることや、都市部での運用であることが特長となる。

 公平病院は、地域のかかりつけ病院としてプライマリーケアから緩和ケアにいたる包括的な診療を提供している。外来・入院だけでなく在宅診療にも取り組み、専門医によるがんや糖尿病などの疾患管理やヘルスケアプロフェッショナルによる生活習慣の改善にも力を入れている。しかし、長期的・定期的な疾患管理が不可欠であるにもかかわらず、仕事が忙しくて時間が取れない人、移動制限のある高齢者など、通院が困難なケースは決して少なくないという。

 そこで今回の取り組みでは、看護師がヘルスケアモビリティで患者宅を訪問。オンラインで患者と病院にいる医師をつなぐことで診療が受けられる「D to P with N」(Doctor to Patient with Nurse)の仕組みを活用する。

[画像のクリックで別ページへ]

 開発したヘルスケアモビリティは、看護師が運転しやすいようにファミリーカーサイズの車両を導入。遠隔聴診器、看護師の視線を医師が遠隔で確認できるウェアラブルカメラを備え、より対面での診療に近づける工夫を施した。フィリップスのAED「ハートスタート FRx」、生体情報モニタ「IntelliVue MX100(インテリビュー)」、携帯型超音波診断装置「Lumify(ルミファイ)」なども搭載。給電システムを備えたハイブリッド車にすることで、診療に必要な電源の確保を可能にした。

[画像のクリックで別ページへ]

 まずは、定期的疾患管理が重要となり、新型コロナウイルス感染症重症化のハイリスク患者でもある慢性疾患患者や高齢者を中心に運用を開始する。その後、地域の医療ニーズに臨機応変に対応していく考え。実証を進めながら診療領域を検討・拡大させ、平時だけでなく有事にも対応できるようにしていく。


(タイトル部のImage:出所はフィリップス)