医療系スタートアップのCureApp(キュア・アップ)は2022年3月9日、厚生労働省内で会見を開き、同社の高血圧症向け治療用アプリが薬事承認の内定を受けたことを発表した。厚労省が同日開いた薬事・食品衛生審議会 プログラム医療機器調査会で薬事承認を了承。今後、厚労省内の手続きを経て、薬事承認を得られる見込みだ。

 治療用アプリの国内初の事例は、CureAppが開発した「ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー(CureApp SC)」で、2020年8月に薬事承認を取得し、同年12月に保険収載された。今回はそれに続く第2弾として、薬事承認を得た後は保険適用を目指す。同社によると、高血圧の治療用アプリは欧米でも承認されておらず、正式に承認されれば「世界初」になるという。

会見に臨むCureApp代表取締役社長の佐竹晃太氏(写真:Beyond Health)
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会見に臨むCureApp代表取締役社長の佐竹晃太氏(写真:Beyond Health)

 高血圧治療用アプリは、ニコチン依存症治療用アプリと同じく、医師の処方が必要で、医師が外来診療などでコードを処方し、患者がそれをアプリに入力するとログインでき使用できるようになる。具体的なサービス内容としては、血圧計と連動させて血圧を記録したり、患者の生活習慣を、質問形式やアプリ内のキャラクターとの会話などでモニタリングしたりする仕組みを通じて、患者にとって個別最適化したアドバイスを動画やテキストで送って意識や行動の変容を促す。患者のデータは医師側も閲覧可能なため、診療の効率化や質向上にもつなげられる。

 高血圧は国内で約4300万人の患者がいるとされるが、適切に管理されているのは全体の3割にとどまる。残る7割は未治療、コントロール不良で、その背景には患者の薬の服用への抵抗感や、生活習慣改善意欲の低さなどがあるとみられる。

 CureAppによると、承認申請のために実施した治験では、高血圧治療用アプリは低用量の薬を服用した場合と同程度の降圧効果を確認。また、医師の指導による生活改善にアプリの使用を加えた場合とそうでない場合を比べたところ、前者の方が血圧の改善効果が高かった。同社代表取締役社長の佐竹晃太氏は、この結果を紹介した上で、「薬を飲みたがらなかったり、生活習慣の改善が長続きしなかったりする患者へのアプリの治療効果は高い」と胸を張った。

 なお、今回の薬事承認の了承に当たっては、「承認後1年経過するごとに、市販後の有効性に関する情報を収集し、有効性が維持されていることを医薬品医療機器総合機構(PMDA)宛てに報告すること」といった条件が付いた。

(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)