近い将来、トイレで得られる情報で健康管理する時代が来るかもしれない──。便や尿を分析するシステムを備え、排泄物から健康状態を追跡する「スマート・トイレ」の実用化が近づいていることが、米スタンフォード大学のSeung-min Park氏らの研究から明らかになった。研究結果の詳細は「Nature Biomedical Engineering」4月6日オンライン版に掲載された。

 Park氏らが開発中のスマート・トイレには、小型カメラとモーションセンサー、尿検査試験紙が備えられ、尿の成分や尿流量率、便の形状や硬さを分析する。分析データは医師に送信され、医師は送られてきたデータに基づいて、使用者の健康状態を把握することができる。尿流量率からは男性の前立腺の健康状態が、便の形状や硬さからは過敏性腸症候群(IBS)などの腸疾患の有無が分かる。さらに、尿検査データからは感染症や膀胱がん、腎不全、糖尿病などの疾患の兆候の有無を調べることができるという。

 Park氏は「排泄物から検出できる範囲で、その人の健康状態をできるだけ幅広く監視しようと試みている」と述べている。一方、この研究には関与していない、米クリーブランド・クリニックの病理・臨床検査医学研究所の所長を務めるBrian Rubin氏は、「現実離れしたアイデアだと感じる人もいるかもしれないが、排泄物から得られる情報は、医師や患者にとって有益なものとなるだろう」と話し、スマート・トイレの開発に大きな期待を寄せている。