簡単な血液検査で、病状が悪化して死亡にまで至る可能性が高い新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を予測できるとする研究結果が、米ジョージワシントン大学医学健康科学部のJuan Reyes氏らにより発表された。炎症や凝固障害の指標となる5つのバイオマーカーにより、重症化リスクの高い患者を予測できる可能性のあることが明らかになったという。研究結果の詳細は、「Future Medicine」7月17日オンライン版に発表された。

 Reyes氏は、「COVID-19患者の治療を始めた当初、回復する患者もいれば悪化する患者もいて、両者の間で何が違うのかが分からなかった」と振り返る。同氏によると、COVID-19に関する中国のいくつかの研究が、特定のバイオマーカーがCOVID-19の転帰不良に関連することを示唆しているという。今回の研究は、そのような結果が、米国の患者にも当てはまるのかどうかを調べる目的で実施された。対象としたバイオマーカーは、IL(インターロイキン)-6、Dダイマー、C反応性蛋白(CRP)、LDH(乳酸脱水素酵素)、フェリチンの5つで、IL-6≧60pg/mL、Dダイマー≧3μg/mL、CRP≧90mg/L、LDH≧1200U/L、フェリチン≧450ng/mLを閾値とした。

 対象者は、2020年3月12日から5月9日の間に、COVID-19の確定診断を受け、同大学病院に入院した299人の患者である。このうち200人の患者について、5つのバイオマーカーに関する評価が行われた。追跡期間の中央値は8日で、集中治療室(ICU)入室となった患者は69人(23%)、気管挿管の処置を受けた患者は39人(13%)、死亡した患者は71人(23.7%)であった。